日本酒「獺祭」に続いて、やはり著名日本酒 「八海山」も、ニューヨークでの醸造を始めるという東洋経済サイトに公開された記事。「酒造り」と聴くと、古い酒蔵で白装束や上裸の「杜氏」が、蒸した米に麹を振り掛ける昔ながらの光景が浮かんでしまいますが、それを現代的に定量的に分析して、機械化しつつ近代化して製品の質向上をして人気になったのが「獺祭」というのが私の理解。言ってみれば「職人芸」の酒造りの「見えるか」と言えるのかも。
もう一つ重要な事は、空調設備だったり酒樽をステンレス製にしたりと、安全性や取扱を正確にかつ安定して利用出来るようにして、酒製造の工程を近代化したこと。よく昔の名酒は寒い地域に多いと言われていたけれど、あれって暖めることは昔でも火を焚いて可能だったけれど、冷やすことは出来ないから、自然に気温が下がる寒冷地の方がある意味温度管理をしやすく品質が安定したからじゃ無いかと想像しています。今では完全に機械化して、それこそ0.1度単位とかそれ以上の精度で室温管理出来るし、内部のようもカメラ出確認したりも出来るだろうし、だから「場所を選ばない」製造が可能だと思います。唯一影響しそうなのは、「水」かなぁ。今は色々な濾過装置があるから、清浄さではどこでも問題無いと思うけれど、本来持つその水の「味」というか「風味むというか、それが最終的にお酒の「特徴」になると思うので、そこが外国とかニューヨークのような街中で醸造する時の課題になるのかも。勿論上質なお米も必要だけれど、今のアメリカだと西海岸とかカナダあたりで美味しいお米(日本米)が作られているから、こっちは案外問題な息がする。
日本酒にも好き嫌いがありますが、記事にもあるように昔のお酒は「ベタベタ」した感じで、私は全く飲めませんでした。うちの父親の家系は代々酒飲みで、だから「剣菱」は必ず何本か台所に置いてあったんですが、私は20歳を過ぎても全く飲めませんでした。それが変わったのが社会人になり仕事を始めて、先輩社員と夜な夜な飲み歩きに連れて行かれるようになった時。面倒を見てくれていたのんべの先輩が、「凄い酒を見つけた」と言ってお店の人にお願いして出して貰ったのが、山形の「出羽桜」。これを最初に飲んだ時は衝撃でした。本当に日本酒らしさがなくて、ちょっと味が付いた「水」みたいな形でスイスイ飲めてしまう。これで一気に日本酒にハマり、この出羽桜をベースに「淡麗辛口」系から日本酒の世界に入っていったのが、もう40年近く前かなぁ。で、日本酒を飲むようになってから、海外出張でフライト中の食事の時に出会ったのが、カリフォルニア産の「シャルドネ」で、これが出羽桜みたいな軽くて飲みやすい白ワインで、これがワインを飲むようになった切っ掛けでした。勿論、原材料や作り方は全く違うけれど、あの系統の白ワインを飲む人ならば多分最近の日本酒も好きだろうと、それ以降出張で日本に来たアメリカ人エンジニアに、淡麗系の日本酒を進めますが、殆どの場合気に入ってくれます。中には、ドッシリ系や旨味系の濃いめの日本酒も気に入る人も多いから、日本酒のグローバル化って案外良いアイデアだと思いますね。
日本酒を外国人に勧める時に注意しないと行けないのは、おちょこで飲む時にあれを「ショットグラス」だと思って一気に飲み干してしまうこと。最初に「This is no shot, sip it.」と説明しないと行けないのだけれど、それがまた珍しくて面白いらしく、案外気になる人が多い気がします。また、最近では珍しく無いのが、自分でおちょこを選んで飲めることも、ちょっとしたイベント性みたいな感じを受けるらしくて、あれも気に入る人が多いと思います。で、日本酒は和食との相性は一番なわけで。和食ブームもあって日本酒とのマッチング(マリアージュ)というのは、案外人気のあるアテンドのような気がします。だから、小洒落た高級店も良いけれど、ちゃんとしたお酒や料理がでる居酒屋が、自分の周りでは一番人気がありますね。案外ああいう形態の飲食って海外では見ない気がします。東南アジア何かにある所謂「屋台文化」ともちょっと違うんですよねぇ。またアメリカなんかのファストフードよりも内容的には高級でしっかりしているし。実は、加齢もあって昔ほどもうアルコールは飲めなくなってきていて、日本酒も少しずつ遠ざかりつつあります。それでも、やはり美味しいお酒は飲みたいので、自分なりにアレンジというか試しているのが「日本酒のロック」。酒好きの人からは「邪道」という割れるだろうけど、これが少しずつ氷が溶けて度数が下がるし、強さも和らぐし、今のお気に入りになっています。実はワインも最近はロックで飲むことが増えています。それぞれ好きな形で好きな喜びを見つけることが一番の幸せだろうなと思いますね。その幸せの少しでも外国の人にも感じてほしい。
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