昨日のジャニーズ事務所の会見。私は外に出ていたのでリアルタイムで観たわけでは無いし、4時間もの長丁場ということで全部を見たわけでは無いのだけれど、ジャニーズ事務所側がジャニー喜多川氏の性加害を全面的に認めて、補償や救済に対しても可能な限り対応する旨表明していて、今回被害を訴えた被害者の会としても、満足はしないだろうけどその内容に関しては理解出来る、あるいは交渉をスタートするに値する内容では無かっただろうか。ジャニー喜多川氏を生き返らせるわけには行かないし、時間を戻すことも出来ない以上は、どこかに落とし所を見つけないと行けないわけで、それって結局は被害者側・加害者側、双方がどこかで歩み寄らないと実現しない。どこへ収斂するかは分からないけれど、ジャニーズ事務所側が性加害を全面的に認めて謝罪したことは大きいと思う。
現在の社長である藤島ジュリー景子氏が辞任をして、新社長に東山敬之氏が就任するという組織変更は、多分今できる範囲の人事異動という意味では最善なんだろうな。元々、ジャニー喜多川氏やメアリー喜多川氏が亡くなった時に、次の社長候補にも話題挙がっていたくらいだから、今回の社長就任も現状では一番の洗濯のような気がします。それに東山氏としても責任の一端を認めて、タレントとしての活動は年内で引退し、その後は社長として人生をかけて対応するとまで言い切っているわけだから、その覚悟は認めるべきだと思う。一方で、性加害者自身の名前(ニックネーム)を冠した「ジャニーズ事務所」という会社名を、暫くは続けることには賛否有るようですが、仮にここで名称変更をしても「加害行為隠匿だ」とか「責任逃れ」というようなことを言う人は出るだろうし、現時点ではどちらにしても収まらないと思う。会見では「ヒトラー株式会社やスターリン株式会社に匹敵する」と糾弾されたけれど、実際にそういう名称の会社は存在するらしい。それに「ジャニーズと言う名前を聞きたくない」という被害者の方の意見は理解出来るけれど「ジャニー(ズ)」は一般的な名称でもあるので、世の中から完全に消すことは出来ない。少なくともジャニーズ事務所側がこの名称を背負って、被害者の会側と何らかの合意点に達するまであえて茨の道を選択したと思えば、その覚悟は理解する価値があるのではと思うなぁ。仮に自分が東山氏の立場だったら、やはり直ぐに名称を変更するのではなく、まずは被害者の会との合意形成を優先して、例えばその中で「会社名称の変更」というような要求があれば、それを受け入れる形で変更するのが一番抵抗がない気がする。仮にその様な要求が無くて、一つの区切りを付けたので心機一転再スタートする、と理由付けても良いだろうし。「名称変更」という大きなイベントは、言い方は悪いけれどそういう大一番に取っておいたとも考えられないだろうか。それは社長として、被害対応だけで無く既存のメンバーの保護もしなくちゃ行けないわけで、そのためには許される「戦略」だとも思いますね。
何度も書いているけれど、この問題は昨日今日始まったわけでは無いし、そういう状況があるにもかかわらず隠されているという告発は何十年前からも有った話。東山氏を始め、既存メンバーの関係や行動に対して批判する意見も会見では出されたようだけれど、それを言うのであれば先ずはメディア、特に芸能関係のメディアは先ずは自分達はこの状況を認識していたのかどうか、認識していたならば何故公に指摘して批判しなかったのか、その説明を先ずするべきだと思う。この会見後、各メディア(放送局)からは定型文のような声明が出されているけれど、被害者の会で指摘された「メディアの責任」に付いては言及するものの、その実体を説明したり釈明した内容は無く、あくまで「善意の第三者」みたいな立場を守ろうという雰囲気を感じます。ジャニー喜多川氏の行為は、もう60年位前から始まっていたと言われていて、その頃のメディアに対しての影響力って、それ程無かったと思うんですよね。あくまで想像ですが、当時の関係者は「困った趣味だなぁ」くらいの認識でいたんじゃ無いだろうか。それがだんだんと影響力を持ち出すと、ますます指摘辛くなり結局は暗黙のうちに見て見ぬ振りをするようなってきたのでは。「メディアの忖度」という意見も出ているようですが、まさにそれだと思う。それとともに、芸能人やタレントさんの中には、ジャニー喜多川氏と付き合いの深かった人もまだ多く存命しているわけで、なんでそういう人達に対してインタビューするなり裏取り取材をするなりしないのだろうか。あれだけ大騒ぎをしているのに、直接取材なり対応しているのはジャニーズ事務所の関係者だけというのは、逆に不自然な気がする。だって、政治家とか芸能人が不祥事をしたとなれば、本人やその家族だけで無く、両親だったり昔の同級生だったり、とことん取材しているじゃ無いですか。ジャニー喜多川氏は表に出ない人という事でずっと謎の人物だったけれど、それは業界関係者が報じないだけで業界の中では周りの人との付き合いが無ければ、あれだけの人材を芸能界へ送り出すことは出来ないと思うなぁ。
その会見では、東京新聞の望月衣塑子記者が参加して、いつもの様な自己中心的な質問(意見開帳?)を繰り返して顰蹙を買っていたみたいだけれど、彼女の場合その前に開かれた被害者の会でも質問と称して自分の主張を押しつけて、たまりかねた被害者の奥さんから逆ギレされるという騒動を起こしたみたいだけれど、ああいう実情を知らないでも勝手な思い込みで注目を浴びようという輩も、これからは色々登場してくるんでしょうね。そう言う意味で、公の会見は被害者・加害者どちらもこれを最後にして、後は関係者だけで、弁護士同席の形で内密に互いに合意形成をするべきだと思う。で、最終的に合意に達したところで、例えば両者同席して会見してこの問題に関しては終了するべきだと思う。で無いと、良くも悪くも両方の人達への圧力だったり誹謗中傷みたいなものは出てくるだろうし、それは誰にとっても利益にならないだろうし。被害者の会が声を上げて、それに対して加害者側が対応する事を明言したわけで、後は余計な雑音の入らない静かな場所で両者が膝を突き合わせて話合いをすれば良いと思う。なんと言っても一番問題であり邪魔なのは、メディアの介入だろうから。
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