昨日の昼間だったかなぁ、TL上に「農林水産大臣が『汚染水』発言」という話が流れてきていて、一体何を言ったんだろうと疑問を感じつつも、また何か言葉尻を取られているのかなと思っていました。夜になって、ニュース等でこの様子が流れてきて、どういう状況での発言か分かったんですが、これって首相官邸から移動する時に政治記者との話の中で出た言葉で、別に会見した時の発言とか、どこかで講演した時の発言というわけじゃ無いんですよね。
当の野村哲郎農林水産大臣は、多分岸田首相から厳しく言われたんでしょうね、直ぐに単なる言い間違いと釈明して、発言を撤回して謝罪をしています。中国の圧力もあり、国民も含めて全員で福島産海産物を盛り上げようとしている時に、その当事者の一人でもある農水大臣がついうっかりでもこういう発言をしてしまうのは、緊張感の無さが理由と言われても仕方ない。またすぐにその場で訂正したならまだ「言い間違い」と釈明しても通ると思うけれど、そうでは無いような様子でそのあたりやはり自身の発言をちゃんと認識していないなと感じます。夜の謝罪会見では、記者から何故「汚染水」発言をしたのかと問われて、自分では認識が無かった、中国の「汚染水」発言が頭にあってそれがつい出てしまったみたいな説明をしていたけれど、中国を引き合いにして言い訳するのは、偶々かもしれないけれど案外良いアイデアだったかも。まぁ、とはいえやはり失言は失言。
で、夜の釈明会見では、取材記者がしきりにこの発言の責任を取っての辞任に関して質問をするのだけれど、このシーンには違和感を感じます。大臣の発言自体は、責任者として軽率だったことは確か。ただ、その発言が出た場所は歩きながらの非公式というか単なる会話であり、立ち止まって会話する所謂「ぶら下がり会見」ですら無い状態。しかも、その前後の発言から「処理水」を言い間違えたことは確実な状況で、例えば「ALPSで処理しても、汚染水には変わりない」みたいな一部野党議員などが言っているような内容でも無い。発言を撤回して謝罪すれば済む話だと思う。逆に、大臣の発言で「汚染水」は間違っているとメディアは公に認めたのだから、今後はALPS処理水を「汚染水」と言うような国会議員とか社会的にそれなりに地位のある人に対しても、「それは処理水ですよね」という追求をメディアはするんだろうか。彼らは、言い間違いとかでは無く、確信を持って「汚染水」と未だに言っているわけですから、より深刻。所轄大臣では無いから責任が違うと言われるかもしれないけれど、少なくとも国会議員という立場は重いと思うんですよね。
メディアとしては、昨日から結構何度も大きな扱いでこの話題を取り上げているけれど、正直なところ大臣が発言を撤回して謝罪したらそれで終わりの話だと思う。一方メディアは、この発言を報道して批判すればするほど、「福島の海洋放出しているものは処理水」という事実を補強することになり、従って「汚染水」と連呼するような行為に対しては、メディアはそれを批判するべき立場になるのだけれど、そういう行動を取っている一部野党に親和的な一部メディアは理解しているのだろうか。「個々の発言の真意では無く、発言があったという事実だけを報じるから、うち(=メディア)は無関係」みたいな言い訳をしそうだけれど、それならそれでそういう発言を取り上げた最後には必ず「ALPS処理水には処理出来ないトリチウムは残留しているが、十分に希釈されて放出されている」みたいな解説を、毎回付ける事になると思うけど。で、立憲民主党はこの問題を閉会中審査で追求するらしい。もうさぁ、やる前から「ブーメラン確定」事案じゃないの。本当に追求するのかな。仮に追求したら、原口博一議員とか阿部知子議員とかを是非その場に読んで質問させて欲しい(笑)。農水大臣の失言は失言として問題ではあるけれど、意図的なのか偶然なのかは分かりませんが、メディアが「処理水」という統一見解を図らずも示してしまったことは、ある意味棚からぼた餅見たいな事じゃ無いかという気がします。
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