2023年8月23日

海洋放出 (3)

24日からの海洋放出に対して、早速いちゃもんを付けてきた中国外務省。福島の海洋放出に文句を言うのであれば、その福島の処理水と比較して、一桁以上多いトリチウム放出を日本海や東シナ海へしている、中国の原発はどうなんだという事は、既に日本国内でも広く知られるようになった情報。それに対しての中国の反論は、冷却水の処理水と直接デブリに触れた「汚染水」を処理したものは違う、と言う理由らしい。でも、処理後の放出する排水の水質検査をして見て、その検査方法はIAEAが管理している同一のもので、その結果が必要な条件を満たしているのであれば、それは出所は違っても放出時は同等なもののはず。

メディアでは「周辺国も懸念を示して」という伝え方を今でもしているけれど、「周辺国」と言っても中国、ロシア、北朝鮮で、あの韓国ですら政府レベルでは科学的に検証されているという立場に変わっています。その中でも、ロシア、北朝鮮はメディアでも殆ど伝えられないけれど、何故か中国の発言は大きく取り上げる国内メディア。それならそれで「周辺国」なんていうぼやかした伝え方では無く「中国が言っている」と完結に分かりやすく伝えれば良いのに。この辺り、責任をとりたくないのか、何か意図があるのか、凄く奥歯にものが挟まったような言い方・伝え方に感じます。そのくせ「周辺国が」と言いつつも、使用している映像や続くニュースの中では「中国外務省は」とか、中国の事しか言わないわけですからね。

中国は日本からの輸入品に関して、輸入禁止措置こそかけていないけれど、「検査」理由に事実上の輸入差し止め措置を講じていて、まぁいつもの「恫喝外交」を展開している。少し前だと、台湾からのパイナップル輸入を事実上止めたけれど、それと同じ構図。湯本からの輸入は止めているのに、日本への団体旅行は解禁するとか、凄く矛盾している気がする。それならば、日本への観光客が帰国した時に大量に持ち込むであろう、日本国内の食品だとか商品だって、厳密に検査しないと行けないはず。さらに言えば、近年の魚ブームで中国の漁船も日本周辺や、太平洋側にも進出して漁業をしているけれど、それらはそのまま中国国内に持ち込んでも良いのか? これからの季節だと、サンマが日本でも中国台湾でも人気になるけれど、日本の北側の領海エリアで中国などの漁船がサンマ漁をするわけです。その場所って、海流の影響を考えたら、彼らが懸念している福島沖から北に流れていく場所に当たるわけで、本当に福島駅への海洋放出を懸念するならば、中国漁船に対しての禁漁だって言わないとおかしい。日本政府としては、この辺りをしつこく何度も指摘して、相手の矛盾を何度も明らかにすることで、こう言う「風評加害」を対策するべきだと思う。

ネットを見ていると、先の中国恒大のアメリカでのChapter 11にも見られるように、中国経済の失速に伴い国内の不満対策も進めないといけない。だから、日本からの輸入品を制限するとともに、ガス抜きのため日本への団体旅行も解禁せざるを得ない、と言う事も有るらしい。とある中国人訪日観光客へのインタビューでは、「あれは国内向けのパフォーマンス」みたいなコメントをしていたも居たらしいけれど、そう言う人を増やす意味でも情報発信は重要だなぁと感じます。その中でも、やはり実際に日本に来て実際の所を観て聞いて体験して貰うことが一番効果があると思うけれど、オーバーツーリズムも今度は問題になると痛し痒しですね。日本からは、フカヒレ、乾燥アワビ、乾燥なまこ等の高級中華食材の供給地でもあるわけで、そう言うものが事実上輸入禁止になったら、困るのは中国の特に富裕層当たりだろうから、影響力は決して小さくないのでは。正直、ここ最近の様子を見ていると「なりふり構わぬ」見たいな印象を受けるんですが、それだけ追い詰められている、切迫して居ると言うことなんだろうか。仮にそれが発端で、リーマンショックみたいな事が中国で起こると、日本に対しての影響はリーマンショック以上になるんだろうなぁ。そうすると、折角上向きつつある経済が再び停滞するのも困ります。China Riskを意識しつつ、徐々に依存度を下げて新しい市場を開拓・移行して行くことが求められているのかな。

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