2023年7月27日

土用の丑の日

今週末の30日は「土用の丑の日」と言う事で、ここ数日は鰻のCMやテレビ等でも鰻料理店を多く取り扱っている気がします。私も鰻は好きな食べ物の一つだけれど、一方で「絶滅危惧種」でもあるわけで、方や保存を言いながら肩や「鰻を食べなければ夏を乗り切れない」みたいな煽り肩をするダブルスタンダードは何なんだとちょっと憤りみたいなものを感じることも。近年鰻研究が進んで、長年の謎だったニホンウナギの産卵場所が特定されたり、観世養殖に向けても研究が進んで居るみたいですが、まだまだそんなに安価に大量に食べて良いものじゃない気がします。庶民の食べ物の代表だった「さんま」が、近隣各国の乱獲なんかもあって高騰してきたように、鰻はそれ以上の存在になりそうな気がします。

そんな中で不思議だったのは、「鰻の天ぷら」とかこれまでに無い鰻料理を大々的に宣伝する番組とかを何度か見て、「蒲焼きの鰻だって足りないだろうに、どこから持ってくるんだろうか」と疑問を感じていました。確か、比較的豊富なヨーロッパ産の鰻は、ニホンウナギと比較して油が多くて「似て非なるもの」と聞いたことがあり、土用の丑の日の代替品になるとは思えない。よく聞くのは、中国産の鰻が例えばスーパー等での蒲焼きには使われていると言う話で、でもそれって絶滅危惧種のニホンウナギが日本海側に流れていって居るだけで、絶滅危惧種の乱獲に変わりないのではと言う疑問も。気になって調べてみたら、中国産の鰻はヨーロッパウナギの部類らしい。だからニホンウナギよりは豊富に入手出来るし価格も抑えることが出来るのか。でも、肉質とかどうなんだろうか。

さらに最近では、「インドネシアウナギ」 何て言うのもあるらしい。ニホンウナギとは種類は違うけれど、場所的には中国産のヨーロッパウナギよりはニホンウナギに近い気がする。食べたことが無いので、味とか肉質とか食感とか比較できないけれど、蒲焼きにすると専門家でも判断が難しいという位だから、やはり生まれてからの生息場所が近いから似たような体型になるんでしょうね。そこに日本の養殖技術が適用されれば、殆ど国内養殖されている「ニホンウナギ」と変わらないのかもしれない。記事の中では、インドネシアでも基調資源なので、しっかりと管理して捕獲・養殖・生産・出荷しているそうで、こういう部分はこれまでの日本の漁業の中では不足していた部分じゃ無いだろうか。日本の漁業の危機が言われて長いけれど、欧米のように「管理して獲る」みたいな漁業方法をちゃんと適用しないと、どんどん衰退するばかりだと思う。

最近よく聞く話に、温泉とか地下水を利用した「陸上養殖」があります。ヒラメとかどちらかというと高級魚養殖が中心みたいで、それはやはり規模の問題があるからだと思います。だから今後技術が発達して、例えば湖一つ全部が陸上養殖場になるみたいなことが出来ない限り場、やはり海上での漁業というのは大きな割合を占めていくはず。でも、取れば取るだけ資源が枯渇して行っては、困るわけです。少し前に、駿河湾の桜エビが全然捕れなくなって、何年か漁獲停止が続いたけれど、やっと最近資源が復活してきたように、今のうちにリセット出来るところはリセットして、ある意味海と共存共栄出来る仕組みを作らないと、魚好きな日本国民なのに、中国とか海外らの輸入魚しか食べられない時代になるかもしれない。そう言う意味では、このインドネシアウナギの話は、ウナギ以外の漁業に関しても深い意味を持つ話のように感じられます。

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