海洋放出に関して、未だに日本との交渉事の切り札として利用しようとする中国。一部報道では「韓国・中国が反対をして」と書くところもあるけれど、韓国の場合政権側はもう放出を認めているのだから、実質的には中国だけが未だに反対していることになるわけですよね。ちょっと意味不明なのは、海洋放出した場合海産物輸入禁止すると言っているのは今の所香港政府で、中国政府では無いこと。香港に、例えば日本産のアワビとかなまこ等の海産物・乾物が多く輸出されているという事も有るんだろうけど、一方でEUは全面的に輸入規制を撤廃するわけで、逆に香港政府(=中国政府)が追い込まれていることにならないだろうか。
仮に、日本と中国の位置関係が日本海を挟んで今とは逆の位置に有り、福島第一原発の位置が例えば今の上海市当たり有ったとすれば、まぁそこから放出した処理水が中国(今の日本の位置)に影響するという主張は分からないでも無い。でも、現実の位置関係を見たら何がどうなったら中国に影響するのか、素人でも判断出来そうな話だと思うのですが。で既に中国側は輸入手続きの遅延行為みたいな形で実質的な輸入禁輸措置を行っているようで、昨日たまたま観ていたニュースでは、中国国内で日本食店を経営している日本人経営者が、日本からの食材がここ数日届かないと溢していたり、多分香港の鮮魚店と思われる中国人経営者も日本からの輸入が止まっていると話していて、まぁいかにも中国仕草だなと感じる次第。
大人げないと思うけれど、福島第一原発の海洋放出が怪しからんから輸入停止するというのであれば、その何倍ものトリチウム放出をしている中国原発の影響も懸念されるから、対抗して日本への輸入も停止する事も検討せざるを得ない、位のことを官房長官会見でチラッと「口を滑らしたら」どうだろうか。IAEAの検査も受けて問題無いと理解しているけれど、中国側が何らかの懸念を感じているならば、その証拠を示して貰わないとこちらも同じ対応をせざるを得ないと言っちゃうのも一つの手かな。勿論、向こうはエスカレートして、海産物だけで無く農産物に食品加工品、さらには希少資源など輸出制限を掛けてくることは想像されるけれど、今譲歩してもそれって何も解決策にならないですからね。以前中国が希少金属の輸出停止をした時に、日本は技術力で代替技術を開発して結果的に日本がその分野でさらにリードする下地になったけれど、今回だってこれを契機に中国ビジネスでのリスクが再認識されて行けば良いのでは。
福島第一原発の海洋放出に関しては、IAEAという国際的なお墨付きを得たのだから、それだけを根拠に粛々と進めれば良いと思う。中国・韓国の対応を理由に、国内でも今後も「風評加害」行為を続ける人も残るだろうけど、それならそれで、それは「風評加害行為である」と明確に指摘して行けば良いと思う。東京電力や政府だけが「安全」と言っているのでは無く、IAEAが言っているのだから、客観的な評価が下されていることは事実ですからね。勿論それによって販路を失う中国向け食品の対策は何か考えないといけないし、逆に中国から入ってこなくなる食料品だけで無く、衣料品とか様々な部材何かもこれから影響するかもしれない。でも、ここで譲歩したら将来また同様の事例が起こることも事実な訳で、どこかでその負の連鎖は断ち切らないといけない。将来的には、ロシアのウクライナに対しての横暴以上の行為にも繋がる可能性もあるわけですからね。その場合は、ロシア以上に手強く面倒な相手になる事は確実だし。
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