タレントのパックンが、「ビートたけしのTVタックル」に出演して、マイナンバーカードの返納騒動を「パフォーマンス」と一刀両断したという記事。私の印象では、パックンはどちらかと言えば政権(=与党)に批判的な気がするんですが、このマイナンバーの返納騒動に件に関しては当事者というか煽っている人達の意図・魂胆を見透かしている感じ。その当たりは、やっぱり「ハーバード大学卒業」という肩書きは伊達じゃ無いと言う事だろうか。
あくまで個人的な想像ですが、パックンの場合はアメリカ人で有るので、SSN(Social Security Number)に馴染んでいて、だから同様のシステムであるマイナンバーカード(マイナンバー制度)にも理解があるというか親和性があるのでは無いかと思います。彼らからしてみたら、SSNが無ければ銀行口座も作れないし家を借りることも出来ない。手違いの間違いだろうと何だろうと、まずはSSNを持つことが生存競争のスタート以前の話。そこまで言ったら大げさに聞こえるかもしれないけれど、多少なりとも向こうでの生活を垣間見た経験のある一人としては、決して冗談で無くそういう社会だと思う。それでいてSSNのカードは、日本のマイナンバーカードのようにIC化されているわけではなくて、自分のSSNとサイン(署名)があるだけの、カードですからね。でも、これが無いとアメリカ社会では生活出来ないから、出張で長期滞在する時等は、まずはこのSSNを何ヶ月も掛けて取得するのが最大の仕事だったりしました。
週末にも、このマイナンバーカードの返納についてワイドショー等で取り上げていたけれど、やはり話題のインパクトを大きくすることが目的なのか、誇張して伝えていることが多いと感じます。例えば、マイナンバーカードと健康保険証の紐付け問題の原因は、多くはそれぞの記録での浄書記載の違い(揺れ)だったり、紐付け作業時の操作ミスが原因であるのに、恰もマイナンバーカードの仕組み自体の問題のような言い方をしている。あるいはマイナンバーカードの返却数が40万人にもなったとか言うけれど、その中には死亡して返却したような「今問題になっている意図的に返納する人」の精確な人数を言っている訳ではない。これまで月の返却数が数名だった自治体で付数十人になっている、数十人が数百人になっていると、桁が一つ上がっていれば、それは確かに「倍増している」「増加している」とは言えるけれど、例えば100万200万都市の政令指定都市で何十人何百人という数字がどの程度の規模なのかはちゃんと言わないと。多分番組の台本とか構成をしている人達には、そこまで考察する時間的にも人的にも余裕は無いんだろうけど、それをそのまま検証せずに放送して、そこで有名人が「信じられない」とか「怪しからん」と言うのは、幾らバラエティーとはいえ酷い内容じゃ無いだろうか。
個人攻撃のような形になってしまうけれど、そんな番組の一つに立憲民主党の長妻昭政調会長が出演していて、例によって「マイナンバーカード怪しからん」と気炎を上げていたけれど、この人の場合どうしても「消えた年金」問題の事があるので、説得力を感じられない。政権奪取前にあれだけ「消えた年金」で煽っていて、自分達が政権を取れば消えた年金問題は解決するような事を吹聴していて、実際この人も厚労大臣になって「ミスター年金」として年金問題に関わったけれど、結局は解決することは出来ず退陣した人。当時は、「名寄せが」「住所記載が」「書きミスが」と色々言い訳をしていたけれど、そう言うことがあったから年金番号の不一致やミスが生まれていたわけですからね。分かっていてちゃんとした対策を取らなかった、其れ以前の政権や以後の政権の責任もあると思うけれど、マイナンバーへの年金番号統合喪、その対策の一つと思えば納得出来ると思うけどなぁ。問題の根本原因は、対象者は一人なのに、サービスによって似て非なる属性情報(名前、住所)を持っていて、かつ本人確認・本人認証機能が内容なセキュリティで運用されていて、不正利用が横行して居た事、ですから。であるなら、その経験を生かした提言なりをするならば、それは経験から得た貴重なフィードバックにもなると思うけれど、結局は相手を批判だけして終わり。コストを掛けても、クロスチェック、トリプルチェックをして限り無くミスを減らすとか、高齢者用のマイナンバーカードでパスワード無しのカードの発行を言っているけれど、その部分の認証を予め登録した親族とか場合によっては行政が代行するような仕組みを考えてみるとか。例えば、あるマイナンバーカードに別のマイナンバーを紐付けて、その人がスーパーバイザーみたいな感じで高齢者とか認知症の人の管理をするみたいな仕組みは、マイナンバー(カード)が出来て紐付けされた履歴が管理出来るから可能に成るんじゃ無いだろうか。マイナスを指摘するならば、少しでもプラスになる事も提案して欲しい。
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