英国版の"BGT (Britain's Got Talent)"で好評を博した「とにかく明るい安村」が、同番組の準決勝に進出。残念ながら、上位に優勝できず、普通ならば決勝戦には進めないところ、ワイルドカード枠に入り決勝戦でもパフォーマンスをする事に。予選では予想外に受けたこともあったけれど、この芸の限界(ネタ数)も日本人なら知っているだけに、どうするんだろうと思ったら、準決勝・決勝とも新作を準備してきていて、スタッフ(構成作家さんかな)も力を入れている様子が伺えました。
彼の芸よりも、"I'm wearing." "Pants!"のコールアンドレスポンスの方が人気というか、受けている気もするけれど、今回も大人気だったことは短い映像からも伺えます。現在公開されているBGTの動画は演技のところだけだけど、多分演技の後に4人の審査員との絡みもあっただろうから、そこを見てみたい気がする。で、個人的に今回見て感心したのが、今回のネタでは英国絡みのポーズをするためという事も会ったんだろうけど、小道具を上手く利用してこの「安心してください」の芸の幅を広げている印象を受けたこと。元々のスタイルでは、小さなビキニパンツに、ちょっと垂れ気味の下腹や横腹のお肉で上手くビキニパンツを隠して「安心してください」と言うわけですが、左右の紐部分はお肉で隠れるものの、正面のデルタ部分をどう隠すかが多分この芸の肝。良くあるのは、しゃがんで手で隠す、横を向いて片足を上げて隠す、体育座りをして両足で隠す。寝そべって膝で隠す等、多分多くても5~6種類位の方法しか無い訳です。そこからのバリエーションで「〇〇のポーズ」と言って付く蔦としても、10種類位は届いても、20種類とかは無理だろうなぁと何となく思っていました。実際、以前国内で受けていたときも、最初の数回は笑えたけれど、その後は同じようなポーズを繰り返しだったり、それらを続けたりするだけで、正直賞味期限は短いと感じました。
今回は、そんな限界を小道具を上手く使ってバリエーションを増やした事に感心。しかも、その「小道具の使い方」にも2種類あり、それもまたこの芸(?)の幅を広げているように思います。一つは準決勝で披露した、英国風裸ポーズでの小道具。最初の紅茶のティーカップでデルタ部分を隠すとか、クリケットのバットのグリップで隠すとか、丸々隠してしまったらこの芸の否定になってしまうけれど、必要最低限で隠すことで、その小道具がそのシーンの説明にもなるし、既存のポーズでは隠しきれないポーズでも成立することになって、あれは良いアイデアだなと感心しました。もう一つは、人物説明の小道具として使用したところ。準決勝だと最後のエルトンジョンのサングラスとか、あれが無いと単なるピアノを弾いている裸の人でしか無いけれど、あの小道具がある事で、裸のエルトンジョンをみんな想像してしまう。そう言う意味では個人的に一番関心したのは決勝伝でのスパイダーマンのポーズで、あれもあのポーズだけだとトイレを我慢しているような姿勢にしか見えないけれど、スパイダーマンの仮面を被ることで、手から糸を放出しているポーズと分かるし、それを裸のスパイダーマンがやっているというギャップが面白さに繋がる気がします。あともう一つ秀逸だと思ったのが、BGTの審査員が駄目出しをするブザーでデルタ部分を隠したシーンで、あれは自分達への皮肉にも感じられて4人が大笑いしていたのは大成功だったのでは。日本でやっていたときには、ああいう小道具を使ったことは無かった気がするんですが、ヒーローシリーズの顔マスクなんかも、裸を維持したままその人物を表現するには十分だし、スーパーマンの時に下からのカメラ映像で裸に見せた画角も秀逸で、あれはよく考えてあるなぁと感心しました。
BGTでの日本人による決勝戦進出は今回が初めてとの事ですが、過去の場合はAGT (America's Got Talent)版とかだったのかな。正直、日本の「裸芸」がここまで異国のしかもどちらかと言えば保守的な英国で受けるとは思わなかった。欧米においては、日本とは比べものにならないくらいこの手の「露出」に関しては五月蠅いし厳しいですよね。その割には、女性の服装の露出に関しては余り言わない気もするけれど、でも海外の特に欧米の芸人さんでこの手の裸でのお笑いというのは無いと思う。 多分会っても、プロレスラーとかそういう競技を前提にした芸で、今回の様な裸自体をお笑いするという事は、多分企画段階ではねられる気がするなぁ。誰がどういう判断でGBTに送り出したのか分からないけれど、その判断は大成功だったんじゃ無いだろうか。BGTやAGTの映像はYouTubeでもよく見るコンテンツの一つですが、日本からの演者や日本人の演者の中には、凄い高度なダンスパフォーマンスだったり種が全く分からないマジックだったり、真っ当な(笑)な演者さんも多く出演しているけれど、一方でこう言う馬鹿馬鹿しいけれどちょっと捻った「日本人らしい芸風」みたいなものが、もしかしたアニメとか和食とかに続いて、日本らしい産物として世界的にブームになるかも。今回のパフォーマンスを見て、多分英国の子供がパンツ一丁で"Pantssssss!!!"とかやっている動画とか流れてきましたが、子供受けすることは万国共通見たい。それはそれで、子供の愛らしさもあって、この裸芸の好感度アップにもなるかも(笑)。
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