2023年5月28日

連鎖反応

数日前に発生した長野の立てこもり事件。それに続くようにして、今度は東京都町田市での発報殺傷事件。それぞれ全く背景も原因も異なる別の事件だけれど、世の中の空気としてはそれこそ安倍元総理殺傷事件に端を発して、岸田総理襲撃事件、そして今回の連続した発砲事件と関連があるんじゃ無いかと言う気がします。何て言うか、押さえていた気持ちが一つの事件を切っ掛けに箍が外れてと言うか、閾値を超えて実行に移すと、それがさらに次の事件を誘発するような感じでしょうか。よく有名人などの自殺事件が報道されると、それに連鎖して後追い自殺が続くので最近では報道する場合にも心のケアを呼びかけるなど注意深くなっています。でも、安倍元総理や岸田総理の事件の時には、やたらと容疑者が使用した手製の重機の詳細ばかりで、そう言うテロ行為とも言えることに関しての注意喚起みたいな事は無かった気がしますね。 

岸田総理襲撃事件は、これはやっぱり安倍元総理襲撃事件に刺激されてと言う影響が大きいと思うけれど、長野の事件は完全に個人的な逆恨みだと思うし、町田の事件は暴力団抗争と思われる状況なので、少なくとも後の二つの事件は関連性は無いけれどそれでも「銃器利用」という共通項はかなり大きな存在だと思う。そこで感じるのは、やはり安倍元総理の事件の時の報道と、それに続く旧統一教会との関係がことさら取り上げられて、ある意味容疑者が「正義の人」みたいな祀られかたをされたことが、少なからず影響している不安というか流れを払拭できない気がします。

日本では、ごく一部の猟銃だとかスポーツ用の銃以外の所持は禁止されているわけで、所持するにしても免許制度や厳しい管理規定があるんですが、それでも長野の事件は発生してしまったし、散弾銃で二人の警察官が殺傷されたわけで、こればかりは世の中から「銃器」を無くさない限りは事件は発生してしまうでしょうね。仮に銃器が無くなったとしても、別の方法を今度は考えるだろうし、そうなるといつまでたってもイタチごっこが続くばかり。結局は、「〇〇を禁止します」という対処方法だけでは解決出来ないわけで、根本である「不満があるなら先ずは話合いで」という事になるんだけれど、それだと時間も手間も掛かるし、大体問題を抱えて冷静な判断が出来ない人に対して「冷静に話し合いましょう」ということが一番難しいだろうし。

いつもメディア批判をしている自分ですが、やはり今回の様な「ふわっとした社会的な状況共有」が生まれてくるのは、メディアの責任が大きいと思うんですよね。そこはもっとメディアは自覚をして、単に自分達の視聴率とか購買数を伸ばすためだけでは無く、そこを犠牲にしても社会的に何を今言うべきなのかをもっと真剣に考えて欲しいと思います。まぁ、既存の大手メディアがそういう大人の対応をしても、週刊誌などはやはり煽るだけ煽るだろうし、さらに今の世の中にはネットがあるから、アクセス数稼ぎ、広告再生稼ぎのために、わざと煽るようなYouTuberなんかも後を絶たないだろうし。そう言う知らないうちに与えられる刺激に対して、鈍感になる事が一番簡単だけれどそうなると本当に必要な情報も入ってこなくなるリスクも。結局は自分自身のフィルター精度を上げて、不必要な情報=ノイズを極力排除して、信頼出来る情報・必要とする情報が届くような仕組みを自分で準備するしか無いんですよね。それを個人のスキルで実現するのはなかなか大変だと思うけれど、今後はChatGPT等のツールを利用することで、かなり実現可能に成るんじゃ無いだろうか。そう言うことも一つの選択肢だと思いますね。

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