昨日発令されたJアラートに対して、立憲民主党の安住淳国対委員長が「オオカミ少年」と批判したという記事。政府の行為行動に対して、的確に批評するのは野党の重要な仕事の一つだと思うけれど、この人が言うとどうも軽薄な印象を受けてしまうのは、私の心が曇っているからか? (笑) 今回のJアラートは、発射直後の状況から推測すると、北海道に着弾する可能性が大きいという事で、過去に例を見ないくらい緊迫した状況でJアラートが発令されたのですが、途中でミサイルが消えてしまい「訂正」という形で域内への落下は無いと修正したため、後から政府が批判を受けているもの。どうも北朝鮮側で、大事(=意図せずに日本国内に着弾してしまう)になる前に自爆させたという話も有るみたいですが、ミサイル(ICBM)が発射されたことは事実であり、その時点では日本の域内への落下する可能性があったから発令された事は正しい。だから、その後の結果に関してはその時点で知ることは出来ないのだから、とやかく言う物では無いと思う。
オオカミ少年の逸話は、羊飼いの少年が「狼が出た」と嘘を言うと村人達が大騒ぎになる事を面白く感じて、何度もその嘘をついているうちに、とうとう村人がその少年の言う事を信用しなくなり、本当に狼が出てきて羊が襲われたときには、誰もその事を信じてくれなかったという話。その逸話に今回や過去のJアラートの件を擬えると、羊飼いの少年=政府、村人=国民、という構図になり、「Jアラート=狼が来たと言う嘘」となるのですが、ここで違和感。オオカミ少年の場合は、狼が来て羊を襲ってもいないのに「狼が来た」と嘘をついたから信用されなくなった訳です。今回の場合は、少なくとも狼(=北朝鮮の弾道ミサイル)は飛んできているんですよね。だから「狼が出て、羊が襲われるかもしれない」と言っているのがJアラートの意味。決して嘘を言っているわけでは無い。
いつも感じるんですが、多分殆どの国民にとって「Jアラート」というのは、それこそ天気予報の「降水確率」とか「台風情報」くらいの感覚でしかもそれ以上の精度を要求している事が問題なのでは無いだろうか。昔の天気予報は「当たらない」というのが常識で、「雨」と言えば晴れるし「晴」と言っても大雨になり、翌日の放送で前日の予報外れを謝るのが、気象コーナー担当者の仕事みたいな時代もありました。台風の進路予報も同様で、四国に上陸の可能性と言っていたのが、東にそれて紀伊半島上陸とかになり更に大きな被害が発生してしまうと、後から批判されるのは気象庁だったわけです。そのため気象庁は、観測衛星を多数打ち上げたり、スーパーコンピューターで気象予報の予測精度を上げたり、さまざまな観測機器を全国や船上にも設置して情報濃度を上げて予報精度を改善してきて現在に至るわけです。弾道ミサイル対策で米軍などは、観測用の飛行機を周辺に飛ばして何日も観測したりするわけですが、日本もそういう装備や人員を増やして行けば、もっと早くもっと精確にJアラートの発令が可能になるかもしれない。さらには、飛翔中の動向観測もリアルタイムで出来るようになれば、トラブルから自爆したような場合とか今回言われているような破壊指令で消失したような場合でも、その動向を逐一観察して伝える事が出来るかもしれない。でも、そのためには天気予報に投入しているリソースよりも、もっと多くのものを投入しないと実現しない訳だし、天気予報と異なり予測して終わりでは無く、万一の場合には対策(=撃墜)も取らないといけない。その重要姓をもっと周知していくことは政府の仕事だと思うので、その点はまだまだ不足していると思う。
この人が言うからだからでは無いけれど、旧民主党政権ってまさに「オオカミ少年」状態だったわけですよね。ガソリン税撤廃、消費税増税反対、高速道路無料化、沖縄米軍基地は少なくとも県外、事業仕分けで埋蔵金はある、等等、彼らが行ってきたことで結局は実現しなかったもの、なし崩しにしたものは決して少なくない。その結果、3年余りで政権交代をして、あれから10年以上経過しているのに党勢を取り戻すどころか、以前同様無責任な発言をする議員はいるし、党勢としても衰退している状況が続いている。だから、国民から見たら彼らこそが「オオカミ少年」と言える気がします。それとともに、仮に政府に対して対応の不味さを言うのであれば、しかも野党第一党の三役を務める要人の立場の人間が、朝の連ドラが観られなかったなんて言う、自分の個人的不満みたいな事を言うもんじゃないと思う。少なくとも「北海道民500万人余りが影響受けた重大な事案だけに、今回の過程をより慎重に精査して対策して欲しい」くらいのことを言えよ、と小一時間。あんな朝ドラ絡みのセリフを「気が利いたことを言った」ともし本人が思っているのならば、多分この人の政治的力量もその程度のものなんだなと私は思う。人としての器の大きさとか度量の大きさって、こう言う何気ない一言に無意識に出てくるものだと思うんですよね。そう言う意味で、この人の過去の発言含めて感じるのは、失礼ながらも器の小ささと軽薄さでしかない。まぁ、オオカミ少年ならぬ「オオカミ政治家」と呼ばれないように頑張ってください(マテ)。
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