2023年3月22日

電撃にしない電撃訪問

昨日WBCの日本対メキシコ戦でテレビが盛り上がっている中、お昼少し前に突然流れ出した「岸田総理がキーウを電撃訪問」のニュース。すでにキーウに到着しているのかと思ったら、岸田総理がインドから極秘裏にポーランドへ移動して、そこからキーウに向かう列車に乗り込む場面を放送しているところ。確か、ポーランドの国境からキーウまでの電車移動って、10時間位掛かるんじゃ無かっただろうか。私が観たチャンネルでは、日テレ系とNHKが速報でこのニュースを現地の映像付で流していて、どちらも同じような方向からの映像だったので、多分情報管理されていて一応解禁となったので流し出したのだろうなと想像するのですが。ただ、余りに劇的な日本の勝利のタイミングで流すから、どちらを見たら良いのかザッピングしつつ迷いますね。Android TVだから、チャンネル変更時の反応が遅くて、何度か繰り返しているとイライラしてくるし。ただ、本当ならば安全確保のために首相のキーウ到達後か出発後に報道解禁するべきだとは思うけれど、そこまでの了解を事前に得られなかったのだろうか。

前回は、ヨーロッパ訪問の途中にキーウに行くというプランが合ったけれど、日程の都合で断念。今回はインド訪問の最後に実現したわけですが、インドからポーランドへの移動はチャーター便だった様子。流石に政府専用機を動かせば、同行記者団から漏れますからね。個人的には、インドから飛び立ったら、そのまま記者団と共にキーウに言っても良かったんじゃ無いかと思うけれど。同行メディアとしても、歴史的な取材機会が突然提供されるのだから、メディア人ジャーナリストとして文句は言わないのでは。まぁ、そのためには帰国予定日が1日2日遅れるだろうから、それに対して文句を言う人間は何人か居そうだけれど。隠密行動となった首相の今回のキーウ移動ですが、首相等少人数では無く外務省の担当者とか、あと本当かどうか不明ですが、一部メディアも同行しているらしい。となると、そこに入った入れなかったで一悶着有るのかなぁ、後から。 

ところで、この速報を聞いてだと思うんですが、立憲民主党の岡田幹事長と泉代表がツイートをしていて、その内容が失礼ながらも凄くまともなことを言われていて、正直ちょっとビックリ。「国会軽視」位のことを言うかと思ったら、ウクライナ訪問の成果を期待するみたいな事まで言っている。邪推ではあるけれど、これ、事前に野党第一党には根回ししていたんじゃ無いだろうかと思うくらい不思議な印象を受けます。TL上では「電撃訪問」が「電撃になっていない」と政府の情報管理の不味さや、メディアの対応への不満が多く見られますが、これも天の邪鬼な性格の個人的感想ながら、バイデン大統領の様な電撃訪問は今の日本では出来ないので、その後のポーランドだったか最初から訪問を公開してゼレンスキー大統領と会見した首脳の例があったと思うんですが、あのパターンを狙ったんじゃ無いのだろうか。つまり、完全な隠密訪問も出来ないし、事前に公開しての訪問もリスクが大きい。ならば、途中までは隠密行動をして、もう後戻りできないタイミング(=キーウ行きの列車に乗車)になった所で公にして、国内の批判も最小限にするし、ある意味ロシアに対しての牽制にもなるのでは無いかと。ロシアとしても、万一岸田総理やその同行団に何か危害を加えてしまったら、今度はその戦力もウクライナに送っているウクライナの反対側極東での軍事緊張の可能性も出てくるわけですから良いことは無い。

そのロシアは中国の習近平氏を国賓としてモスクワに向かえているわけで、その間は流石に大きな事は出来ないだろうし、ましてや日本の首相が訪問中のキーウを攻撃して、万一のことがあったら大事になるだろうし。それも狙ってこのタイミングにしたのかどうかは不明ですが、ロシアや中国への当てつけと言うよりは、ロシアが中国対応に忙しい間隙を付いた「準電撃訪問」と言ったら、それは岸田首相を買いかぶりすぎだろうか。本当は単なる偶然だけなのかもしれないけれど、今回のインド訪問の予定も結構最近急に決まったような印象を受けていたので、そうなると中国側のロシア訪問予定の確定を確認して、そこにぶつけてきたという可能性はどうだろうか。もしそういう考えが当たらずとも遠からずであれば、日本の外務省も結構やるなと言う気がする。もしかしたら、故安倍総理の蒔いた種というか当時共に仕事をしていた人材が活躍しての結果であれば、安倍さんも少しは報われるかもしれない。ただ、ロシアとしてはこれで日本に対してより厳しい対応をする理由が出来たわけで、今後の対話特にエネルギー問題や魚介類等の交渉に関しては厳しくなるんだろうなぁ。ウクライナにとっては、まだまだ厳しい状況に変わりないだろうけど、暖かくなってくるこれから秋にかけて何らかの結果が出ないと、多分今年の冬を超えて来年まで戦う余裕は無いと思うんですよね。ロシアも厳しいと思うけれど、ウクライナと異なり昔の「遺産」はまだある。力勝負となれば、やはりロシア有利でしょうから、西側の援助が整うこの4月とか5月に、一気に反攻が始まり、でも全体を押し戻すだけの力は無いので、ロシアにとって要所である例えばクリミアとかを確保して、それを材料にロシアの撤退と停戦交渉に持ち込みたい、と言うのがウクライナの思惑かもしれない。

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