打ち上げを一時延期して、昨日打ち上げが実行されたJAXAのH3ロケット。残念ながら二段目ロケットの点火不良が発見されたため、打ち上げ後5分位で爆破司令が送信されて、打ち上げは失敗。H3ロケット初号機だけでなく、搭載されていた高額監視衛生も失われてしまい、その損害はかなり大きなものに。まぁ、初の打ち上げでそんな重要なものを搭載するなよという話もあるんだろうけど、ペイロード増加に対応してのH3ロケットですからね。空荷で打ち上げるわけには行かないだろうし、打ち上げを待つ待ち行列もあるだろうし。
で、期待を裏切っての失敗が大きいだけに、日本の技術力低下とか競争力低下とか、早くも色々ノイズが生まれているみたいだけれど、正直なところ技術とか開発なんて言う仕事は、どれだけ失敗して経験値を積み上げてなんぼの世界。勿論、無限に失敗し続けることはできないし、ちゃんと経済的にバランスが取れるところまでには仕上げないといけないけれど、まぁ初めての打ち上げなんだから、成功と失敗は五分五分くらいの気持ちで見ないと担当者はやりきれないだろうなぁ。今は成功して、アメリカの宇宙開発を担うくらいのSpaceXだって当初は失敗に次ぐ失敗で散々言われ続けたけれど、その経験があるから今の成功があることは間違いなのない事実。それでも、また新しいことをやろうとすれば、また失敗を積み上げていくわけですからね。
一番の問題は、日本の体質として一度失敗すると完全にその原因と対策が準備できるまで次の試みを許さないところ。実は問題解析で一番の検証方法は、同じことを何度もく返して問題を確実に再現できるようにすることで、それができて初めてどのようにその問題原因を解決するかという次のステップに進めるわけです。日本の技術衰退が言われるけれど、個人的には 1970年代から1980年代は、企業側も余裕があったから、潤沢に開発費も投入できて何度もやり直しができたりしたんですよね。勿論、新しい技術に対してお金を出すことも緩やかだったけれど、失敗に対してのリカバリーに対しても理解があった時代で、だからこそすぐに同じものを製造して検証したり、そこに色々なセンサーとか追加して原因究明のための情報を集めたりできたから、新しい対策もすぐに準備できるし、そこから新しい製品や仕組みが生まれていったのがあの時代だと思います。その「余裕」が今はないから、どんどん技術は確実なことしかやらない・できないようになり、だから凡庸な製品で当たり障りなくビジネスをするような傾向に傾いていつたのだと私は感じます。
本当に打ち上げビジネスを国家戦略とするならば、今回の問題解析のためだけの特別予算とかつけて、それこそ年内祭打ち上げくらいの目標設定をして解決策を考えるくらいのスピード感がないと、本当に日本のロケットビジネスは終わってしまうと思う。開発活動高から、勿論効率化も必要なんだけれど、どこにお金を入れてどこで小売化するかというメリハリを間違えないようにしてほしいですよね。宇宙ビジネスって、祖だけではなかなか利益が見えないけれど、今の天気予報の精度が上がって生活の質が向上したり、ウクライナの事例ではないけれど、万一の災害発生時の通信インフラとしても有効なことは実証済み。直前の打ち上げ中止のときにケチが付いたこともあってか、今回はJAXAに対して好意的な声も多いようですが、その流れを是非無駄にせずに早いリカバリー対策を期待したいですね。なんと行っても、このH3から日本の有人宇宙船とか月面探査とか、次のステップへの糸口になるわけだから。
0 件のコメント:
コメントを投稿