個人的には、HUFFPOSTというメディアは余り信用していないサイトなんですが、今回掲載された小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター専任講師のインタビュー記事は、読み応えがあるというか色々な含蓄を含む内容で、ちょっとHUFFPOSTを見直したくらい(笑)。
私自身も、ロシアやウクライナ所か、国際政治にしても軍事・安全保障に関しても、専門知識の欠片も無い。ただ、そう言う状態であっても、今回のロシアによるウクライナ侵攻(ウクライナ戦争)に関しては、ロシア側に譲歩するべき事情は一変も無いと思うし、最終的にどう言う結果になるかは分からないけれど、少なくともウクライナ勝利と誰もが認める形で無ければ、この戦争は終結しないと思う。それは、責められているウクライナ側が納得しないだろうという事と、某かの譲歩がロシアに残った形で決着すれば、ロシアだけで無く中国とかその他幾つかの国が同様の事を起こす可能性が残ってしまうだろうから。特に中国に関しては、「力による変更」をすでに東南アジア等で行っていて、日本に対しても圧力を掛け続けているわけで、そう言う意味でもこのウクライナ戦争は日本にとっても他人事では無いと思う。
記事の中で印象的だったのは、小泉氏が国内でロシア擁護をする人達に関して、
今回の戦争に関しては日本のリベラル層は、ロシアを擁護する人が妙に多いんです。「アメリカのウクライナ政策にこそ問題がある」といった論調ですね。これを私は残念に思っています。まずは「侵略している側、つまり相手を殴りつけて人を殺している側を非難して止める」というのを最優先に考えるべきです。
と批判しているところ。仮に何らかの理由でロシア側を擁護あるいは弁護するにしても、まずはロシアの蛮行に関して批判するべきだし、それを止めて謝罪したところから、初めてロシアの言い分を聞く事が出来ると思う。一方的に侵略し、一般国民それも子供も含めて無差別に攻撃し殺傷し、さらには火事場泥棒みたいな事を国家レベルでやっている事を、立場の違い以前に先ずは非難するべきだと思う。それなのに、某国会議員だったり、一部の「知識人」とか著名人が「ウクライナが悪い、ロシアは悪くない」という事を主張することには、大いに疑念を感じるしそれ故に彼らの他の言動に関しても不信感がつのるだけ。
そして、さらに印象的なのが、その文章に続いて小泉氏が指摘する、
「我々はチェスのプレイヤーの方じゃないですよ、明らかに我々はチェスの駒ですよ」ということですね。(強調自分)
という一言は、重い言葉だと思う。 当のウクライナ出すら、今回のロシアの侵攻は予想外だったと言われるけれど、だからと言って手をこまねいていたわけでは無く、東部諸州へのロシアの侵攻やクリミア併合を機に、「チェスの駒」としての意識が生まれて育って一旦でしょうね。それが、小泉氏も指摘しているように、ウクライナの予想外の抵抗と攻勢に繋がっている事は明らかだと思う。日本に対しても、例えばロシアがウクライナの失態隠しのために、中国と事を起こすことは出来ないから日本の北海道に何かちょっかいを仕掛けてくるかもしれない。その中国にしても、台湾侵攻の余波で沖縄とかの目障りな米軍施設に対して何か攻撃するとか、あるいは沖縄の反米世論を盛り上げるような損害を沖縄に落とすかもしれない。韓国に至っては、竹島問題で今まさに「侵略」されているわけですし。今回大幅な防衛費増大が決定されて、しかし世論的にはいつもの様なアレルギー反応みたいな反対論はそれほど目立たず、逆に賛成する人が多いことは、多くの人が同様の危機感を感じているからだと思う。その度に思うのですが、今回のウクライナ戦争に関しては、小泉氏を始め、多くの専門家が時には自分の間違いを謝罪訂正しつつ、丁寧に説明していくれる事が大きな援護射撃というかこれまでに無い効果を生んでいると思います。それ故に、最初に書いた変なリベラル層の意見も余計に際立って胡散臭さを感じるような気がします。そう言う意味でも、このウクライナ戦争の決着が付くまで、小泉氏をはじめとした信頼出来る人達の発言には注目していきたい。
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