2022年12月12日

無人月面探査船

日本の宇宙ベンチャー企業の「アイスペース(ispace)」が、11日にアメリカのフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げたスペースXのロケットに搭載した月面着陸ミッションの宇宙船打ち上げに成功。打ち上げロケットからの分離と、その後の通信か栗熊で確認されて、今後制御試験などを通じて日本として初めて、民間企業としては世界で初めての月面着陸を目指すことに。

記事にも書かれているように、少し前に打ち上げられたJAXAの超小型月探査船が、太陽光パネルが適切な方向に向けられず通信途絶の状態となり予定通りの運用が難しくなったこともあり、それで終わりかなと思っていたので、自分としてはちょっと意外なニュースでした。そう言うことをやっているベンチャーが日本にもあって、実際に打ち上げられたんだと、最初に聞いた時には少し感動。しかも、この企業の目的は月探査というよりは、地球と月の間の物資輸送を目指すという事で、言ってみれば日本のお家芸の1つ「宅配便」の宇宙版を目指すのかなとちょっと夢想したり(笑)。


ちょつと不思議なのが、月に行くのにまず月の軌道を大きく通り過ぎてから、再び地球方向に戻りつつその後月の周回軌道に乗り、最終的に月面着陸をすると言う、非常にまどろっこしいというか時間の掛かるミッションということ。通常月面着陸というと、以前だと一週間位だったと思うのですが、今回は5ヶ月位掛かるような長期ミッションに。まとめた説明資料は見つからなかったんですが、出来るだけ推進剤による加速・減速をしないことで節約して、時間よりは経済性を重視した起動を目指している様子。さらに言えば、月周回軌道を離れた場所での宇宙船のリモート制御技術の検証も兼ねているのかな。なかなかハードルは高いと思うけれど、それだけ技術的な自信もあるんでしょうね。

今回の着陸船には、日本やUAE等の月面探査機等7つの「荷物」を内蔵して月面に運搬して居るそうですが、先ずは着陸に成功して、それら「荷物」の配達に成功して、さらに探査機に関しては月面での稼働確認が出来れば、120点の成功でしょうね。月面への着陸予定は来年の4月だそうですが、それまでちょっと待ち遠しい感じが続きそう。

個人的に気になるのは、この輸送機は今の所「使い捨て」なんですよね。ちょっと勿体ない気がするなぁ。何か有効利用出来ないだろうか。例えば、太陽光パネルで発電しつつ、位置情報を発信するビーコン・灯台みたいな役割を今後も続けていくとか。それをマーカーにして、より高精度な着陸が出来るような仕組みが出来ると、将来的にも有効な気がするんですが。あるいは、将来的に月面基地が建造されて月面上で活動する人間が出るようになったら、この着陸船を改修して再利用するとか。月面への物資輸送では無く、月面からリリ楠だけの推力が得られれば、燃料補給をして月面からの物資やサンプルを月周回軌道上の母船へ運ぶ役目をするとか活用出来たら、無駄にならない気がするけれど。いろいろと夢を見させて欲しいです。

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