2022年11月27日

サッカー利用して批判する

TL上で話題に(問題に?)なっている、東京新聞に掲載された先日のサッカーW杯ドイツ戦勝利に関しての、同新聞社記者の「呟き」的記事。サッカーが生活の一部(?)になっているドイツですら、先日の敗戦はそんなに話題になっていないのに、日頃サッカーなんか見向きもしない日本がこんなに熱狂するのは変じゃない(かなり意訳)、とご不満な様子。

この記事が筆者のかなり恣意的な記事だなと感じるのが、導入部分の書き方。正直予想外の勝利で突然サッカー人気が沸騰し、活躍した選手のユニフォームの売上げが大幅にアップしたけれど、以前の有名選手と違って難読名字の選手ばかりと、W杯以前の国内でのサッカー人気の低さを無理矢理こじつけている感じ。それに、「久保、南野、三笘、堂安選手」とスポーツショップ関係者が名前を出しているのに、なんでわざわざ「三笘、堂安」を取り上げるのか。しかも、難読名字だから知名度が低く、だから開幕前の注目度は今ひとつだった、と次節へ誘導している。いゃいゃ、三笘選手にしても堂安選手にしても、海外のチームで活躍していて、スポーツニュース等ではよく聞く名前。確かに、アジア予選では勝ち星の無い状態でスタートから暫くリーグ戦が続き、森保監督交代論も出たと思うけれど、逆にそれ故に注目度はあった(マイナスの意味ではあるけれど)と言えるのでは。大体、サッカーのW杯何だから、開幕前からそれなりに興味を持っている人はサッカー関係者やサッカーファンだろうし、それ以外の多くの人に取っては「余り馴染みの無いスポーツ」である事は当然では。日本で一番人気や興味の有るスポーツは、野球(プロ野球)だと思うけれど、そのWBCにしても今注目されていないわけで、やはりスポーツは大きな大会なり試合があって注目が集まる物。そんなことを言い出せば、例えば何かの芸術作品だったり演芸だったり舞台だったりも同じでは。宝塚は、国内でもその名前は殆どの人が知っているくらいの知名度があると思うけれど、じゃぁ今どの組みによるどんな舞台が開催されているのか、何て知っているのはやはり宝塚ファン以外では殆どいないと思う。で、その舞台が例えばトップスターの引退舞台だったりすると、多分多くの芸能ニュースなんかでも取り上げると思うし、反応するファン以外の人も増えると思うけれど、それでもこの人は「応酬ではシェークスピアが生活の一部だけれど、日本では演劇が根付いていないから、引退興行の時だけ話題になる」と言う事を思うのだろうか。

続く段落では、インターネット配信サービスがその理由という方向に持っていこうとしているけれど、ドイツ戦は地デジのNHK総合で放送されて、確か試合中は35%位、最高視聴率は試合後の40%という数字を叩き出したんじゃ無かったかな。今日の日本×コスタリカ戦はテレビ朝日系列で放送されるけれど、先日はフジテレビ系列で日本以外の強豪チームの試合も放送されていたわけで、ABEMAが無償でインターネット配信して居るけれど、地上波でもそれなりに試合提供されている。と言うか、ABEMAが放送権を取得した時には、かなり大きく取り上げられたと思うんですよね。ドイツ戦の勝利で、それまで取り上げもしなかったワイドショーやモーニングショーでも急に取り上げだしたけれど、それってこの記者も所属するメディア側の理由というか損得の話では。記者ならば、何故開幕前は無視していたのに急に取り上げだしたのか、と言う所を身内の親密さで徹底取材する事が仕事じゃ無いかと思うのだけれど。その後に引用している、ドイツのサッカー専門誌の特派員氏のコメントも変な印象を受けるわけで、それはドイツのサッカー文化。サッカーがドイツでもメジャーなスポーツで、確かに毎週末試合が開催されていることは事実だろうけど、日本だってJリーグの試合が毎週開催されている。ドイツよりは関わり合いは少ないかもしれないけれど「4年に一度の2週間だけ盛り上がる」わけでは無いと思う。この辺り、実際にインタビューして得られたコメントの真意とは違って、言葉だけ切り貼りされたんじゃ無いかという気もするなぁ。

そして最後のまとめは「熱狂で悪事が隠れる」事が問題と、言わせているんだけれど、これって所謂リベラルとか左翼とか言われている人達がまさにそうじゃ無いの。「反安倍」とか「反○〇」とかが自分達の意識に酔いしれて、他者の意見など無視している状態に対してこそ「冷静な視点も大切」だと思うのだけれど。もし、今回の番狂わせに沸く熱狂を利用して政府批判したいのであれば、自分ならこう書くかなあ...

サッカーワールドカップでの日本の快挙に、世界中が沸いている。市中のスポーツショップには、日本代表選手のユニフオームやW杯グッズを買い求める人波で溢れ、売上げもかなり良好なようだ。しかし振り返ってみると、今年の代表チームメンバーには、以前の「カズ、ヒデ、ゴン」といった突出した有名選手は不在であり、またアジア予選では苦戦しながら何とか出場権を勝ち取っただけに、W杯開幕前の注目度は今ひとつであった。それもドイツ戦での快挙で状況は一変し、今日のコスタリカ戦に勝利をして、トーナメント進出と目標の8強も夢では無くなった。

しかし考えてみて欲しい、サッカーを始めスポーツ競技であれば、途中苦しい試合があろうとも勝てば次に繋がるし、最終的に優勝をすれば、それまでの問題点や苦労はすべて「良い経験」として美化されてしまう。スポーツならば、それも許されるだろうが、現実の生活の中では後から美化するような余裕は無い。今日をどうするのか、明日はどうすれば良いのか、毎日が厳しい社会との戦いを余儀なくされている人が、今の日本には多く生活している。政治の世界では、W杯の様に一発逆転の政策ではなく、毎日が安心して暮らせるような「安定した試合」を常に目指すべきであろう。そう言う姿勢を岸田政権は示す必要が有る。

とかね(笑)。実際には、兎に角与党の失策を利用して一発逆転して与党に戻りたい野党の方が「甘えんじゃ無いよ」と叱責したいくらいだけれど。ただ、あれだけ緊張している台湾ですら、経済活動を訴えた野党側が地方選挙で大勝するくらいだから、やはり一般の人達の意識は経済と言うか「日々の生活」である事は間違いないと思う。それを認識していないメディア何て、結局は単なるアジテーターあるいは広告掲載紙でしか無いと思う。 


 

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