ITmediaで見つけた、大木豊成氏のブログから、リモートワークで移住したけれど結局諦めたという話。 最後に書かれている、
移住というものは、簡単に決めるものではないな、と再認識した今日この頃です。
が全てなんですが、この紹介されているケースでも、ご主人が北海道出身で奥様が東京都出身。で、選んだ場所が栃木県那須高原と全く縁もゆかりも無い場所。まぁ、最初からフラグが立っているような物だなぁと思いながら記事を読みました。
「引っ越し」をする時に、転居してから困らないために、例えば一度だけ見て決めるのでは無く、例えば朝、昼、晩と自分の活動時間帯によっての雰囲気の違いとか、天気の日と雨の日とか、条件を変えて下見して判断する事が理想的だけれど、転居するという事はそれなりにスケジュールとして切羽詰まった状態でもあるわけだから、なかなか時間は掛けられない。結局一度見ただけで部屋の内装とかが気に入って決めると、実は夜になると騒々しい場所であったり、雨が降ると周りが水浸しになる地形だったり何て言うことに悩まされることに。あるいは、季節によっても、たまたま下見する時期が穏やかでも、夏とか冬になると厳しい気候になることもあるでしょうね。引っ越しでは無く移住であるならば、それなりの覚悟で残りの時間を過ごす場所だから、やはり一年くらいはじっくりと現地を見てみる必要が有るだろうなぁ。今回の場合も、諦めた要因の一つは冬の大雪が予想外だったことも有るわけですからね。ご主人が北海道のどの辺りのご出身かは分からないけれど、北海道の場所によっては東北地方とか北信越地方の方が雪が多い場所もあるわけで、北海道だから雪に慣れていると言うわけでもないだろうし。
私は、就職して30年位都内や横浜に住んで、その後家庭の事情から地元というか実家に戻ってきた、行ってみれば「隠れ移住者」みたいなもの。生まれてから、大学進学までの約20年間暮らしていた場所で、近所にも学校の同級生とか知り合いも多いけれど、それでも30年振りに戻ってくると最初の頃は完全な浦島太郎状態。知っている人も、結構外に出て行ってしまい、逆に周辺の再開発などで新規の人がそれ以上に増えているんですよね。しかも、自分にとっては全く知らない人何だけれど、その人から見れば私が居ない間に引っ越してきたけれど、既に30年とか20年とかこの地域で生活しているから、私なんかよりもはるかに「地元」に馴染んでいる。正直そう言う人と地元の話しをする時にはやりにくいです。もちもち地元民の自分が最近の事は知らず、後から来た人なんだけれど20年とか地元で生活しているから、人間関係や色々な事情にも明るいし、場合によっては自治会の役員とか務めていて地域の中心になっている場合も有りますから。そう言う意味では、5年とか10年位で地元に戻ってくるならまだしも、有る程度の時間をおいてから戻る場合には、例え自分の生まれ育った地元であってもなかなか大変な場合も有ると思います。
そう言う意味では、佐々木俊尚氏が提唱している「多拠点生活」というもので先ずはドライあるしてみるのも良いのかな。確かに、現在の生活基盤を維持したまま、もう一つ二つ別の生活拠点を造って維持する事は、経済的に負担が掛かるのは事実。ただ、本拠地の持ち物を整理して、拠点では例えばレンタル家具を利用するとか、場合によってはウィークリー、マンスリーアパートみたいなものを利用するとか、単純に「生活資金×拠点数」にはならない工夫も可能でしょう。あるいは、夏は涼しい北海道、冬は暖かい沖縄、春と秋は馴染みのある東京、みたいな拠点生活だと、それぞれの季節で必要な物を分散できるので、さらに効率化出来る、と言う事も可能かも。ただ、個人的に地方移住で一番の課題(障壁)は、その地域との関わり合いだと思うんですよね。自治会とか集落とか、向こうは殆どそこから動いたことの無いような人ばかりの中に、いきなり新参者が入ってくる違和感というか。地元出身の自分ですら、やはりそれなりの時間離れていると違和感を感じて居心地が悪いのが正直なところ。あと、色々面倒という事も有るし。多拠点生活の場合、どの様に拠点を維持するのかにも寄りますが、例えば月の半分も居ない人とどう接すれば良いか、地元の人も困るだろうし。時期によっては、毎週末に清掃作業とか地域のイベントとか、集まりだとか、ゴミ集積所の共同管理だとか、色々な柵が生まれてくる。正直なところ、賃貸アパートを1年~2年ごとに転々とするのが一番気楽な気がする。まぁ、そう言うと身も蓋もないのだけれど。最近はちょっとしたブームみたいな雰囲気もあるけれど、やっぱり移住というのは自分にとっても、移住される地域にとっても、なかなか負担の大きなイベントだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿