NEWSポストセブンに掲載された、朝日新聞離れ(前編・後編)に関しての記事。発行部数では、ついに400万部を割り込み、前年同月比では63万部も減っているとのこと。この中には、所謂「押し紙」での部数も含まれていて、それは数割くらいはあると言われているから、実際に購読されているのは300万部の前半位でしょうね。 2011年には800万部を発行して居たと言うことなので、この10年で半減したことになる。
で、記事に書かれている部数減少の原因を読んでみるんですが、どうもピントが外れている気がしてならない。記事を読む限りでは、所謂「慰安婦報道」の訂正や福島第一原発の「吉田調書」問題で社内が萎縮し、外部からの批判や炎上を恐れて社内が萎縮し、気骨のある記者が一掃されたみたいな説明をして居るんですが、逆でしょう。社内のグタグタさに、気骨のある人材は早々に外に出てしまい、結果的に社内に残った人材は以前よりも劣化。社外に出た人材からは、援護射撃のつもりが余計な煽になり、炎上や批判に拍車を掛ける、というループが完成したからでは。記事では、外の反応を気にする余り、記事内容から朝日新聞の特徴であるリベラル色が薄れてしまい読者層が離れていった、みたいな説明をしているけれど、リベラル所か「リベラルと自称する別の何か」に変わっていっているから、本来のリベラル系の読者からも見放されて、一部のコア層にしか受け入れられないような媒体になったからでは。それでも「クオリティーペーパー」としてのプライドは崩せないから、開くまで今の部数減少は外的要因が理由と言うしか無いんだろうけど。
記事の後編では、部数が減っているのに黒字化している理由が説明されているんですが、要するに所有している不動産収入が好調で、それにイベント収益が増えていくことで、本業のメディア媒体の赤字を吸収して余りある状態になっているというもの。メディアの不動産収益に関しては、以前はTBSがよくやり玉に挙がっていたけれど、朝日新聞も築地本社の土地取得に関しては、優遇されているという話がネットで以前よく取り上げられていましたが、モリカケでは人の事を批判しつつも、自分達の事に関しては一切説明しないのどうかと思うのだけれど。メディアと言えども一企業体なのだから、何らかの方法で収益を確保して、企業目標を遂行することは何の問題は無い。ただ、「メディア」という分野に関しては、報道の公正中立は担保されるべきだし、仮に何らかの傾向を含めるのであれば、それを明記した上で報道活動するべき。でも、「社是」とも言われていて安倍政権打倒を謳いながら、そのアベノミクスの恩恵を受けて経済が上向き、不動産収入がアップして会社として成り立っているというのは、大きな自己矛盾の固まりだと思うけれど、その事に関してのプライドは傷つかないのだろうか。
印刷媒体がいつまで残るかは難しい問題だと思うけれど、逆に印刷してまでも残す必要の有る情報にならないと、単なる資源の無駄遣いとなってしまう。そう言う意味では、毎日印刷して配達するような新聞媒体は今の時代のニーズはそんなに無いのかも。逆に、しっかり取材するなり検証するなりした読み物・レポート系の情報に関しては、印刷媒体として生き残る道が残されていると思うけれど、それだって印刷するかどうかは、その情報をスマホで見るかPCで見るか程度の違いで、読者側の選択肢の一つでしか無い訳ですからね。よほどの情報付加価値が無いと、今後はますます印刷媒体をわざわざ買ってくれる人はどんどん減っていくと思う。例えとして相応しいかどうかは疑問だけれど、今のレガシーメディアって、火に掛けたスープみたいなもので、最初のうちは美味しくていいのだけれど、ずっと火に掛けたままなのでどんどん中身が煮詰まってしまい、焦げ付きさえ見えるのに「いゃ、うちのスープは昔から変わらない味で好評です」と言い張るような感じに見えるんですよね。「自分達の意見」なんてこちらは聞きたくないわけで、先ずは「事実の報道」に徹する事をもっと真剣に考えないと、10年後には大手と言えども消滅している気がする。
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