2022年11月2日

健康と障害

昨日流れた、れいわ新選組所属の水道橋博士が、うつ病により議員活動を休職するというニュース。最初このニュースを聞いた時には、不謹慎ながらも「毒舌を売り物にする芸能人・タレントもそんな状態になるほど議員は大変なのか」と思ったんですが、元々うつ病の持病を持っていたという話を後から聞いて、なら何故選挙にという疑問も。同じ事を感じる人も多いようで、TL上ではそんな状況を知りながらも選挙に担ぎ出した山本太郎代表の責任を言う声も多いけれど、安倍元総理の持病に対して酷いことを言っていた張本人が、自分達の事になると掌を返したような言い方をするのは、やはり許せないと思う。

国会議員に限らず、何か職業に就くという事はその仕事を決められた規則(例えば9時~18時まで就業するとか)に沿って遂行するという前提で契約されるもの。何らかの理由で、その規則を全うできない場合、例えば怪我をしたとか別の重要な用事が発生した場合には、例えば有休消化をして仕事を休んだり、場合によっては特別休暇や今回の様に給食をせざるを得ないことも。最悪の場合は、辞職する事もあるわけですが、だからと言って簡単に人を止めさせたり、その前の就業の自由を奪うことは出来ない。実際れいわ新選組所属議員では、ALS患者の船後晴彦参議院議員とか、頸椎損傷でやはり体の自由がきかない木村栄子議員が当選し、当初はその移動手段などから議員活動が危ぶまれたけれど、国会側が設備を改善したり、議員側も努力して、今の所問題は指摘されていない。まぁ、他の議員も含めて、その議員一人で全ての議員活動をしているわけでは無く、「政策秘書」とか「公設秘書」、さらには「私設秘書」に事務所スタッフという、言ってみればチーム組織で議員活動を成り立っているわけだから、議員本人の資質もそうだけれど、それ以上にどれだけ優秀なスタッフが集められるかで、その議員の力量は決まると言っても良いんじゃ無いかと。逆に言えば、人気だけはあって票を集められる人間を立候補させて当選すれば、そこのスタッフはその政党なり組織が好きなようにも出来ると言うリスクも考えられるのですが。だからこそ、議員本人もそうだけれど、その組織もしっかり監視しないといけないとは思うんですが、どうしても議員以外の部分は注目度が下がりますよね。

で、今回の水道橋博士の場合、立候補要請して要請受諾した時に、その以前から会ったという「うつ病のリスク」はどう判断されたのか、その説明は要請した側の山本氏は説明責任はあるのでは。自身も、曲がりなりにも国会議員をやっていて、その仕事の大変さなり重要さは理解しているはずだろうから、水道橋氏側にそう言うリスクがあるのならば、その状態で職務遂行できるのかどうか、本人に症状のあったリスクも含めて遂行する意思があるのかどうか、当然第三者として医師の診断なども含めて評価しての立候補だと思うので、その読みが甘かったあるいは当初から無理があったのでは無いかという事は、山本氏はちゃんと説明為ないと政党代表として無責任だと思う。記事では、今回の決断は意義の有るものと言っているみたいだけれど、それはちょっと綺麗事だと思う。今回の決断以前に、そう言う世界に引き入れた判断が適切だったのかどうかという説明はしなきゃいけないのでは。まさか、持病を持っていることは知らなかったわけでは無いだろうし。

一般の職業ならば、無理をして症状を悪化させてまで仕事をさせることは犯罪にもなる話だと思うので、そこは個人の判断と医者の判断が優先すると思うけれど、国会議員という職業というか立場を考えると、やはり一寸異なる気がします。国会議員になるためには、国民からの投票を受けて当選したものが付くことが出来る職業、というか「地位」。しかも、その投票行為には、「国民の一票の権利」という重い判断の積み重ねがあるわけで、例えば誰かに勧められて就職しましたとか、そう言うレベルの話とは全く異なる立場。船後議員にもして、木村議員にしても、自分には行動のハンディキャップがある事は承知した上で、それでも任期6年間は勤め上げる覚悟は有るはずで、実際その通りに活動されている。水道橋氏にも、同じ判断と決意があっての立候補だったはずで、そこは一般の職業倫理以上の覚悟が要求されると思うなあ。その上で、水道橋氏が軽く考えていたのなら本人の責任もあるだろうし、支援を約束しながらそれが十分ではなかったのであれば、山本氏の責任も考えるべきだと思う。そう言う意味では、最初から帰国することは無理と思われていて、それでも人気で当選してしまったガーシー委員なんて論外だと思うのだけれど。以前から、タレント議員や有名人が立候補して当選すると、単に投票の時の頭数合わせと批判されていたけれど、今回の件もちゃんと経緯を説明して納得しないと、やはり水道橋氏の知名度だけを利用した行動と言われても仕方ない気がしますね。

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