2022年10月20日

謝罪している振りをする

謹慎処分が明けて、昨日から「羽鳥慎一モーニングショー」に復帰した、テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏。私は実際の番組を観ていないので、何時どの様な形で復帰したのかは分からないのですが、どうもスタジオには登場せずに、別の場所から謝罪の様子が放送されて、今後は「取材をしっかりする」みたいな説明をしたらしいけれど、をぃをぃ、じゃこれまでは取材もせずに憶測で物事を最もらしく論じていたわけ? それだけで、また謹慎に値する発言だと思うのだけれど。

TLを見ていると、間違いを認めて謝罪もしているのだから、彼の復帰を許すべきだみたいな書き込みも多いんですが、でも個人的に問題と思うのは、別に今回の失言が初めてだったわけではなく、過去にも同様の発言をしてでもちゃんと謝罪をした事は殆ど無かった。それが今回は流石に影響が大きいからと言う事なのか、本人の口から謝罪の言葉は出てきたわけだけれど、それならばスタジオでちゃんと発言するべきではないだろうか。別の場所から、リモートみたいな形での発言って、今後はそう言う立場、立ち位置になりますという暗示も含めてなのかもしれないけれど、この件に関しての責任を希釈するような印象も受けますね。

ところで、今回の謝罪では、原稿を読んだという菅前総理やそれらをお膳立てしたという広告代理店電通に対して釈明をして謝罪したようですが、どうも最も重大な発言に関しては何も説明は無かったようですね。それは、自分がディレクター時代に、テレビ局の意向に沿って情報を加工した・編集したという事に対して説明。つまり、報道という立場にありながら、事実を恣意的にねじ曲げて伝えていたわけで、それってプロパガンダと言っても良いのでは。しかも、それが事実なら放送法違反に問われてもおかしくないはず。実際テレビ朝日は過去に「椿事件」として知られている、放送法違反が問われた事件を起こしているわけで、玉川氏の発言はそれを彷彿させるものだと思うんですが。その事を説明為ないでこのままこの件が終了するのであれば、彼の初源田でなく、テレビ朝日という会社自体の信用にも関わる事態だと思うのだけれど。まぁ、テレビ朝日だから、朝日新聞系列だから、で終わってしまう案件でもあるんだけれど。

現在においては、昔のように直接相手に合って話を聞いてさらに裏付けを取ってみたいな事をやっている時間が無いことも確かにあると思うけれど、直ぐに入手出来るけれど余りに情報が氾濫している「ネット情報」に依存しすぎていることが根本原因だと思う。本来ならば、それに対峙していくべき「放送局」だとか「新聞社」みたいなレガシーメディアが、逆にそう言う情報に依存していく度合いがどんどん大きくなっている。製造の世界にしても、昔はそれこそ部品一つ一つから自社製造・あるいはグループ内企業製造で賄っていた物が、最近ではOEM/ODMは当たり前、「自社製造・自社開発」とは言いながらも、キーコンポーネントは専業メーカーの物を集めて作らないと物作り出来ない時代だけれど、最終的にはお客様に渡る製品の品質や機能は、自社基準を厳守するように品質検査だったり検証作業にそのぶんリソースを割くわけです。メディア企業だって同じはずで、情報入手が簡単に成ったのであれば、その整合性なり信頼性を担保する部分を疎かにしてはいけないはず。でも、今のメディアはコストダウンしたら全部そのままコストダウンしちゃうから、出てくる情報も「コストダウンされた程度」の物しか無いんですよね。結局は、こう言う「コストダウンされたコメンテーター」とか「コストダウンされた政策担当者」が、そのまま反映されている気がする。だから、本来ならば真摯に感じられないといけない、謝罪行為なんていう上ような事が、やっぱりコストダウンされたスカスカな印象しか受けないわけですね、そうですね。

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