2022年9月29日

愉快犯の代償

今も続いている台風15号による静岡県下の水害被害。災害状況や現状を伝えたり、支援物資の要請等重要な情報でネットも溢れたんですが、こういう時には多々ある「偽情報」も出回っていて、その中でも最たるものが「静岡の水害状況」としてAI作成の偽画像を拡散した事象。 

昨日までに、拡散されている水害の様子を撮影したような写真は「AIによる偽画像」として一般メディアでも取り上げられていて、その発信者もそれを認めたのだけれど、事の重大性は認識していないみたい。過去にも同様の偽画像を公開していたりしたことがあるようで、たまたま今回ついやってしまったと言うようなことではないらしい。同じような拡散騒動では、記事にも書かれている熊本地震の時の「動物園からライオンが逃げた」という事件が今でも記憶に残っているけれど、あの時の拡散主は後に逮捕されているわけで、今回も悪質さとしては同様だと思う。

実は私も最初の今回の偽画像をネット見た時に「えっ、清水ってこんなに酷いの」とビックリしたんですが、同時に掲載されていた3枚の写真を見た時に、何か凄く違和感を感じたんですよね。その違和感の理由は直ぐに分かって、それは1枚目と3枚目の濁流が流れている写真何ですが、建物や樹木が障害になって濁流が泡立っている場所と、まるで水が流れていない様な場所が隣接している部分が何カ所かあるんですよね。例えば堤防とかで仕切られていて、一方では濁流が流れているけれど、反対側は水面は静か、というならまだ分かるんですが、一つの流れの中である部分を境に左右で状況が違うように見えるのは以上。私も素人に毛が生えた程度だけれど、20年以上写真撮影は色々していて写真を見る機会も多いので、変に補正とか修正した写真を見ると違和感を感じるくらいの能力は何となく身につけたみたい。この3枚の写真のうち、2枚目の全体が濁流に締められている少し遠くから撮影したような写真は何となく本物っぽく感じるんですが、そこで違和感を感じるので、画面中央左半分に映っている建物が密集している部分。その建物の間に何本か上下に延びる青っぽい直線上の部分が2カ所、2カ所、1カ所見えます。これ、何となく建物と建物の間の道路というか横町というか、通路のように見えるんですが、周りの様子と比較したら、この部分にも茶色の濁流が流れ込んでいないとおかしい。また、元々の地形が分からないので何とも言えないけれど、家屋が全く無い部分の繋がりが、川なのか何かの平地(田圃とか畑とか)なのか、どちらにしても全く何も見えないのは不自然な鍵します。後は、画面上側のまん中当たりで、水面に家屋や樹木が反射しているような部分があるんですが、ここだけそうなっているのも不自然な気がするし。また、樹木の陰の方向も、写真の上側と下側では向きが少し違っているようにも見えます。

まぁ、素人の自分でもそれ位は見て違和感を感じるくらいだから、専門家が見ればもっと色々不自然な部分は見つかるだろうし、またそれなりの解像度での写真なら、よほど上手く修正しない限り、必ず編集した部分は分かりますからね。それでも、最近はスマホでもかなり綺麗に障害物を消したり、合成したり、加工したりすることが可能だから、これくらいの偽画像なら、簡単に作成して、気軽に投稿して、後から大きな騒動になる事も珍しく無い時代なんだなぁ。昔、カラーコピーがそれなりに利用出来るようになった時、コピーした偽札を使用した事件が突発的に増加した時が有ったように記憶して居るんですが、それと似たような状況かもしれない。これくらいは「冗談」の範疇に入るのか微妙だと思うけれど、こう言う事を許してしまうと段々とエスカレートしていって、突然もっと大きな事件の切っ掛けになる可能性もあるんですよね。これで受けると、次はもっと過激なもので注目を引きたいという、欲求が生まれて。そう言う意味では、今回の件もこれで終わらせるのではなく、愉快犯の犯行としてそれなりに厳しい処分をした方が良いような気がする。

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