2022年9月25日

物価高を受け入れて支援の充実

ここ最近というか、今年になって何度もメディアで聞くようになった「〇〇の値上げ」「値上げラッシュ」などの値上げに関するニュース。ほぼ全ての商品に関して、年初と比べて数割くらい価格がアップしたり、値段据え置きでも内容量を減らした「実質値上げ」が起こり、もしかしたら「値上げ」が今年の流行語大賞になるんじゃないかと勝手に想像するくらい。確かに、値上げを喜ぶ消費者は多分一人も居ないはずだけれど、とは言ってもその商品だけが値段が上がるわけでは無く、その商品を作るための材料にパッケージなどの素材価格、さらには作る人の人件費に電気代、そして運ぶための輸送量等、全て値上げせざるを得ない状況な訳ですから。

私も勿論値上げを歓迎する気持ちは無いのだけれど、でもよくよく考えてみたら少し前までは「暗黒の30年」とか「デフレスパイラル」とか「成長率ゼロの30年」とか、 要するにデフレの状況を避難していたはず。でも、正直なところそのデフレの状況を歓迎していた雰囲気もあるんですよね。何故なら、物の価格が変わらないから。だから一寸前だと、どうしても耐えきれなくて価格を上げようとすると、「消費者虐め」みたいな言い方をされるような場合も有ったし。それに、今年に入って数度の値上げが発生しているけれど、30年間我慢して殆ど値段が上がっていない状況を考えたら、実はまだまだ足りない状況ではないだろうか。そこに、世界的な不安定な状況で世界的にもコストアップしている状況を考えたら、値上げすること自体は仕方ない。

問題なのは、その価格アップが素材料金アップのための値上げで、上がった分で人件費経回る分がまだまだ不十分じゃないかという事。バブルの頃がまさにそうなんだけれど、実は物価は凄い勢いで高騰していったのに、それと同じかそれ以上に給与も上がって行った時代だったので、実はそんなに厳しさは感じなかった。だから一番厳しかったのは、バブルが弾けた後暫くで、一斉に昇給ストップとか人件費削減とか始まり、しかし物価はそれまでの勢いで高止まりしていたので、あの時が一番生活に響いた気がします。確か今ではお馴染み当たり前の「100均(100円均一ショップ)」が登場したのも、そんな背景からじゃなかっただろうか。まぁ、結果あの時代から殆ど物価は上がること無く、兎に角「100円バーガー」とか「100円均一」とか、それまでは「価格の安さ=品質の悪さ」みたいな事が常識だったのが、「価格の安さ=庶民の味方」みたいな別の価値観が生まれた時代だったのでは。確かに、最初の頃の100均は、安かろう悪かろうの商品が多かったけれど、今では「何処でコストリカバリーしているの」と感じる商品も増えてきましたからね。でも、正直なところ100均の製品はやはり「使い捨て」の範疇だと思って使った方が良いとは思うけれど。

最近では、300円均一とか500円均一のショップも増えてきていて、やはり商品のカテゴリーによってはそれなりにコストを掛けないと使えない物も有るわけで、傾向としては良いのでは感じています。やはり原価で100円以下で何でもかんでも作れるわけではないですからね。で、多くの場合は下請けが責めを負わせられて苦しむスキームが出来ちゃう方が問題だと思う。いずれにしても、今が最後のデフレ脱却チャンスだと思わないといけないのでは。だから、物価上昇はするものという前提の元、例えば低所得者層への減税や支援策を出したり、企業に対しても物価上昇の度合いを出来るだけ抑制するために、支援策や場合によっては減税策等対策する事が今最優先の事象だと思う。物価高対策として、政府は数兆円規模の支援を考えているらしいけれど、専門さんの意見などを見ると一桁足らず、30~50兆円位の支援策を思い切ってやるべきと言う話。一人10万円を配布した特別支給金だって、全国民に配って13兆円でしたからね。となると、一人30万円位配って約40兆円ですか。社会補償費用が35兆円位で、医療費だと40兆円を超える位なので、それ位の規模の対策を組むだけの勇気があるかだよなぁ。上手く行けばデフレスパイラルを脱却して、成長モードにシフトも可能だろうから、ここは勇気を出して大胆な施策を実行して欲しい。

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