2022年9月4日

それって昔の中国では...

本日も佐々木俊尚氏のVoicyから、「貧乏だけれど優秀な若者たちが来てくれる(かもしれない)日本」について。

超優秀な人材は、アメリカとか中国とか欧州に行くんだけれど、そのぶんお金も掛かるから凄く限定される。でも、凄く優秀だけれどそこまでコストは掛けられない人材も抱負に世界には居るわけで、そう言う人達は日本を目指す確率は高いだろうし、日本としてもそう言うセグメントを狙うのが正しい判断ではという話。

なるほどと感心するとともに、何か聞いたことの有る話だよなぁと言う記憶も蘇ってきて、それって何だろうと反芻したところ、20~30年位前の中国って、まさにそんな状況じゃ無かっただろうか。当時はゴリゴリの共産主義から、自由主義・資本主義を取り入れて「経済開放」という事で西側の資本を取り入れたりし始めた頃。当時、多分日本でもごく初期の段階だったと思うんですが、コスト削減というか優秀な人材を探しに中国の人材会社なんかとコミュニケーションしていました。まだ日本に招聘するには、色々面倒な手続きとか合ったので、基本オフショア開発だったけれど、それこそ中国の一流大学を優秀な成績で卒業したエンジニアの卵やそれなりに経験のある人材を、当時の日本のコストの数割以下で契約することが出来た良い時代でした。極々一握りの超優秀な人材や特権階級に属する人達は、アメリカとか欧州に出ていて、そこまでのお金や地位の無い人が、国内に溢れかえっていた時代。この後、個人起業が可能になると桁違いの成功者も登場するんですが、その少し前の時代なので、お金を稼ぐためには外資系企業の仕事をして実績を作り、そしてお金を貯めて5年もしたら外に出る、と言うのが当時の夢だったんじゃ無いだろうか。

実際、何人かの人とはかなり長く仕事をして、中国主張の時には実際に話もしたことはあったけれど、凄く優秀な人ばかり。今の中国の経済成長を見ると、当時からそれは既に約束されていた、と言っても言いすぎじゃ無いと思う。勿論人材だけで今の成功が有るわけでは無いけれど、当時は日本の人口の6~7倍かな、今は10倍位違うわけですが、同じ比率で優秀な人材が生まれるとしても他準計算で日本の10倍の人材が居るわけですからね。実際には、日本以上に過酷で熾烈な競争の中生き残りをかけた戦いが日々続くわけで、もっと多くの優秀な人材が居ることは確実。当時は勿論、今でも「中国」と言うと下に見る人が多いけれど、いやいゃ当時の様子を肌で知っている身としては、当時ですらあと20年30年もしたらとんでもない国になるかもと思いましたが、それよりも早く時代は進んでいる気がします。

ただ個人的には、日本は「生活する」には良い場所だと思うけれど、「ビジネスル」には物足りないというか魅力に乏しいと思うんですよね。そこをどうするのかが最大の課題だと思う。先日ネットで一寸面白い意見を見つけたんですが、今3Dとか仮想空間系のブームが生まれていて、日本のオタクも大挙して参加しているらしいのですが、そこで制作されている「キャラクター」とか「バーツ」みたいなものが、どんどん日本の物が模倣されて世界に広まっているらしい。そのままだと、日本の文化盗用、パクリと批判されるんですが、とある意見は、そうやって日本の「もの」が世界標準になる事で、日本自体が世界の中心になるから、土俵として業界を寡占化することが出来る、と言う話らしい。なかなか面白い考え方だと思う。勿論、日本の諺である「軒先を貸して母屋を取られる」にならないようにしないと元の木阿弥だけれど、ビジネスの世界ではいかに自分寄りのルールを作るかが成功の鍵である事は知られていることだから、間違っては居ないと思うし、そこから例えばVR Deviceとか、仮想化のためのデジタル機器とか、今は衰退したと言われる日本の製造業にも新しい活路が生まれるんじゃ無いだろうか。結局は、人のやる気次第なんだろうけど。

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