2022年8月25日

アナログ・リモート会見


新型コロナウイルスの陽性反応が出た為、リモートで政府を行っている岸田首相。その為、リモートで記者団の質問に回答しているのですが、その様子が余りに「アナログ」とそちらが話題になる事に。 首相公邸からリモートで対応する岸田首相が映し出された官邸に置かれたモニターの前にメディア各社の記者が並び、岸田総理の発言をメモしたりボイスレコーダーに記録したりという、いつもの「ぶら下がり」と呼ばれる取材行為を模した形態に。中には、ボイスレコーダーをモニターに近づけて録音しようとした記者の様子も写真に撮られていて、本当に日本の情報リテラシーを表した実例になった気がする。これって、判子出社を回避するために、オンライン承認システムを準備するのではなく、リモートで判子を押す「押印ロボット」を作ったのと同じ発想だなぁ。

双方にそれなりの言い分はあって、どうもリモートシステムとしては、首相公邸と官邸を光ファイバーで結んで映像を配信するだけのシステムらしい。ZoomとかTeamsというリモート会議アプリを使用しないのは何故だろうか。閣議だとか機密に関わる場合に市販のアプリを回避するのはまだ理由としては分かるけれど、普通に公開される内容の会見な訳ですからねぇ。記者側にしても、発言内容をメモするのはまだ理解出来るけれど、わざわざスピーカーからの音声を録音するんじゃなくて、そのまま音声データとして配布すれば良いのに。しいて理由を挙げれば、その場合岸田総理の発言は記録できるけれど、記者側の質問発言はその場に居た人間が録音しないと記録されない。結果、いつもの様にボイスレコーダーをあちこちに向けながら音声録音するのが一番簡単で、これまで通りで、わかりやすいという事だろうか。

穿った見方をすると、「リモート会見」と言いながらこれまでのスタイルを踏襲させたのは、メディア側として今後この形式が定着する事を嫌がったからなのかもしれない。このスタイルになると、ぶら下がり会見後に「総理、総理!」と呼びかけて都合良く利用出来る映像が撮れなくなったり、一瞬の表情を撮影して適当なキャプション付で使用出来なくなるのを嫌がっているとか。また、オンライン化されると、そのデータはそのまま官邸のWebサイトなどに記録できるので、これまで以上に簡単迅速に記録が残せて、メディア側としても適当な切り貼りが出来なくなるからかな、と思うわけです。

一方で、画面に移る岸田首相の様子も、何か知ろうとが適当にテレビ電話を利用しているような印象で、岸田氏側にとってもマイナスだと思う。もう少し照明を顔に当てて明るくし、後カメラもズームできるくらいの物を準備して、顔を近づけなくてもしっかり映像として使える物を準備しないと。画面の顔を見ると、青色に変色しているし、顔もカメラに近づきすぎたからか、歪んでいるように見えるし。その写真が世界中に出回ってしまうと、かなりの損失だと思うんですよね。官邸の広報担当者はそういうところまで木が回らなかったのか疑問です。双方メリット・デメリットのあるリモート会見だけれど、個人的にはこれまでの「ぶら下がり会見」なんていう、記録にも残り無いメディアの切り貼りのネタ提供でしか無い時間の無駄な事は止めて、リモート会見でリアルタイムにストリーミングで流されて、しかも即座に保存されて何時でも参照出来るような仕組みに切り替えて欲しいですよね。そうなれば、政治に対しての国民の検証行為も充実するし、なんと言ってもメディアの切り貼りを即座に判断出来るので、妙な言動に左右されなくなる事が一番の利益になると思う。

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