2022年8月21日

とんち合戦

笑っちゃいけないのだけれど、一休さんの「屏風の虎を捕まえる逸話」を思い出させる記事

「『統一教会と関係のあるメディアからは取材を受けるな』と言われているので、こちらも安心して答えるわけにはいかないので。“関係ない”ということを証明していただかないと」

 まぁ、本当はどうか分からないけれど、「関係があるか不明だった」と言っている事に対して、「あれだけ騒がれたのに知らないはずが無い」と言われれば、「それならば関係無い事を証明して貰うしか無い」となるのはある意味自衛手段としては仕方ないというか当然というか。

仮に取材しているメディア側(「女性自身」編集部とか出版元の光文社とかが)が、「うちはれっきとしたメディアだぞ」とでも言えば、「統一教会もメディア組織を持っていた」「御社の社員が無関係であるという誓約書を見せてください」と言われてしまう。あるいは、本当に社員に誓約書みたいな物を書かせたら、それこそ個人の人権侵害でもあるし信教の自由侵害でもあるわけで、それが大手メディアがやってしまうというのはこれまた問題。でも、結局はメディアだったり今旧統一教会を理由にバッシングしている人達自らが招いた結果でもあるわけですしね。

で、そんな事を考えていたら、本当にそういう事例が多分国内のメディア全社に関わりが有りそうな話が。2000年5月に、アメリカの通信社「UPI」が、同じくアメリカの報道機関「News World Communications(NWC)」に買収されるのですが、このNWCは、統一教会創始者の文鮮明氏が1976年にアメリカで創設されたものらしい。で、国内外の通信社がこの件をニュースとして当時(2000年5月16日)伝えています。でも、その後も国内外のメディアは、UPI配信の記事を使っているわけで、これは「知らなかった」では済まされない話だと思うぞ。

「いゃ、これは関係企業の傘下だから直系の旧統一教会系企業では無い」と言う良いわけも生まれるかもしれないけれど、でも今日本でやり玉に挙がっているのは、その直系企業ですらない一信者にまで宗教を理由に差別をしているわけですからね。自分達は、関係がある企業と知りながらその後も記事配信等を受けつつ、今回安倍元総理襲撃事件で何十年か振りに話題になると一斉に取り上げて批判材料にしているのは、余りにご都合主義と言われても仕方ない。UPIと言えば、APとともにアメリカを代表する大きな通信社なので、ここと全く関わり合わずに報道活動する事は事実上無理かもしれない。でも、今メディアが振りかざしている論理を適用するならば、であっても認識した時点で関わりを立たないといけない事になる。となると、一休さんの逸話同様、メディアはこれまでのUPIとの関わりを明らかにした上で身の潔白を証明しなきゃいけないのだけれど、それは出来ない話である事は自明。身から出た錆、自業自得な話で終わりそう。

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