2022年8月15日

カルト化する社会

テレビの情報系番組では、まだまだ旧統一教会系の話題がメインで、同じような話を繰り返しているけれど、新しい話題(=ネタ)が尽きてきたからだろうか、旧統一教会のこれまでの話を根掘り葉掘り発掘して膨らませて話題作りをしている気がします。質が悪いのは、先に発足した第二次岸田内閣の組閣に関して、旧統一教会との関係があった閣僚を退任させて、新たに閣僚を任命したら、その新しい閣僚にも旧統一教会との接点があって身体検査がズブズブ、みたいな話。確かに、退任した人達には報道されているように過去接点は合っただろうけど、それが理由で再任しなかったとは言っていないわけだし、自民党の立場としては、信教の自由の問題も有るだろうから、単純に特定の宗教と何らかの関わりがあったからと言って、機械的に排除するわけにも行かないだろうし。

ちょっとビックリしたのは、とある情報番組のコメンテーターが、「自分の親分(=安倍氏)が殺されたのに、なんでその相手に対応しないのか」みたいな事を言っていたこと。安倍氏を襲撃した容疑者は、旧統一教会へ入れ込んでいた母親の様子から教会側への不満をつのらせ、そこから安倍元総理射殺事件を企てたわけで、非は勝手な思い込みをした容疑者にあるはず。旧統一教会が我が例えば殺人を仄めかして容疑者を扇動したとか、殺害委託をしたとか言うのであれば別だけれど、今の所そんな話無い。強いて言えば、旧統一協会側もある意味被害者の一人なわけで、容疑者の殺害意識は本当は教会側に向けられた物が、同化対象としてより可能性が高い安倍元総理を襲撃対象に選んだわけですからね。旧統一教会に全く関わりがないとは言わないけれど、今の所出てきている情報では犯行を実行する主要因とは言えない気がします。

それでも「統一教会」として批判される理由は、多分殆どは30年ほど前に話題になった霊感商法や合同結婚式のような得意な決め事が蒸し返されているからであり、そして一番の理由はそれを理由に与党議員を叩きやすくそれにより視聴者の注目が集まるからなんだろうな。「統一教会」なる組織との接触が怪しからんと言うのであれば、公明党の創価学会は良いのか、その他宗教組織をベースにしている政党は許されるのか、甚だ疑問。宗教組織で無ければ問題無いのかというのも疑問な訳で、特定の集団が組織力で政治に影響を与えること自体が問題化しかねない。そうなると、じゃぁ労働組合は良いのか、教職員組合とか医療団体とか建設業界とか農業団体とか、そう言う組織票自体が問題視しないとおかしい。「いゃ、政教分離の原則があるから、政治家が特定宗教と接近するのは駄目」と言う意見もあって、それは正しいと思うけれど、個人の信条を理由に政治への参加(選挙のボランティアとか)を否定すれば、それこそ政治による宗教への干渉になるのでは。そう言う事は問題になるのに、例えば一部の宗教家が特定の政策や政治家に対して、「撤回しろ」とか「辞任しろ」とか要求するのは、宗教による政治への干渉になる気がする。ギリギリ許されるのは「〇〇の決定は、世界平和貢献にはそぐわないと思う」とか位じゃないだろうか。

メディアでは、「カルト」という言葉を気軽に使っている気がするんですが、それなりに思い意味を持つ言葉だと思うから、その使用には責任と注意が必要だと思う。大体、あのオウム真理教だって結果的には分派して名称変更して今でも存続しているわけですし。あれこそ、宗教団体が自らの手によって国内テロを計画して、実際に被害者を多数発生させた大事件だったわけです。あの当時、いろいろと問題のあったTBSはどう考えているのだろうか。個人的には、あの当時の報道姿勢や報道内容を理由、放送免許停止くらいの措置があっても良かったと思うし、追随していた他の放送局も同様だと思う。安倍元総理襲撃次元は衝撃的な事件である事は間違いの無い事実だけれど、それは容疑者の取り調べや裁判が始まらないと詳細は分からない。それを待たずに勝手な憶測でエスカレートしている事が、まずはメディアの一番の問題。もう一つは、確かに今も問題のある宗教団体かもしれないけれど、少なくとも30年間社会的に活動をしてきて生存している宗教法人に対して、カルトを理由に批判する事も、それは間違っていると思う。それならば、世の中の宗教法人の中で、旧統一教会だけが今もそう言う問題活動をしているのか、それを示すべきでは。もし複数の中の一つなのであれば、それら全体を批判するべきだと思う。正直、信仰主教に入れ込んで破産したと言う話はよく聞く話だし、それは以前から有る大きな宗教団体でも大なり小なり有る話だと思う。そう言う事をちゃんと言わずに、今時流に乗っているからと一つの宗教にだけ課題に集中する事は、ルールに則った批判ではなく単なる個人的に思い込み、私情による批判でしか無いと思う。大体批判するメディアだって、その「カルト」の関係団体を好意的に取り上げたり、宣伝に荷担してきたりするわけで、その責任はどうかるのか。それこそ「知らなかった」では済まされないと思うのだけれど、彼らは微塵もそんなことは感じていないのでしょうね。だからこそ、12年も議員をやっていながらこの件に関しては何も行動せずに、でも落選した時に丁度こんな事件が発生してので、嬉々としてメディアに出演している某氏の態度にはあきれ返るわけですが。

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