2022年6月10日

キノコのカバン

キノコ素材のランドル」 と聞いて、えっとビックリした話。アメリカのベンチャー企業"Bolt Threads"社が開発したキノコの菌糸部分を利用して作った素材を利用して、日本のランドセルなどの製造メーカーである土屋鞄製造社が提携して製品を作ったというニュース。牛皮などを使用する革製品に対しての批判や、SDGs等の運動の高まりから、革製品の素材も代替製品を探さないといけないのだろうけど、まさかキノコ由来の素材を使うとは意外中の意外。

キノコの菌糸部分という事で、例えばナメコの切り落としてしまう根の部分の密集しているところを、ぎゅっと圧縮したようなイメージなんだろうか。確かに、圧縮して平らな生地状にすれば、革っぽい風合いにはなりそうですね。私は、元々革製品がそんなに好きでは無く、一時期COACH製品を買い漁っていたときも、本来の革製のバッグ等には見向きもせずにナイロン素材で革部分が少ない商品ばかり購入していたくらい。勿論、革ジャン何て言うのも持っていないし、革製の衣類はゼロだよなぁ。理由は、動物愛護精神が高いなんて言う高尚な物では無く、革製品のメンテナンスが面倒なことと、どうしても皺と通ったり傷が付いたりしたときの補修が大変なことで、まぁ面倒くさいからという理由から。ただ、使い込めば混むほど馴染む風合いみたいな物は革製品特有な物で、その部分はちょっと気にしていたりします。

車のシートなど、自動車では革製品を多く使っていると思うのですが、車の場合は人工皮革の「アルカンターラ」が有名で、東レの「エクセーヌ」名では昔ランドセルとかにも使われたんじゃ無かったかなぁ。ただ、材料がポリエステルとポリウレタンという100%石油由来の素材だから、今風に言えば環境には優しくない。その点このキノコ由来素材は100%自然由来だろうから、まぁ現在ではこちらの方が受けそうですね。後は、先ずコストだろうなぁ。菌糸類って植物などよりも成長速度が速そうな印象があるんですが、一つの製品として十分な分量を得るまでの期間とかコストとかはどうなんだろうか。菌床と水と空気があれば十分との事だけれど、確か温度管理も重要じゃなかったかなぁ。となると、夏は冷房、冬は暖房みたいなエネルギーは必要になりそう。

コストや性能で十分に牛革に対抗できるようになったら、今の風潮だとこちらに一気に流れが傾きそうだけれど、そうなると今度は牛肉を取った後の牛革が余って捨てられるような状況にもなりかねない。確かに動物愛護の観点から、所謂「産業動物」は外れているのかもしれないけれど、肉食が無く習い限りその副産物としての牛革だって生産されるわけで、そこは上手く棲み分けて共存して欲しい。でも、日本の場合ランドセル需用って結構大きいはずで、その何割かが牛皮からキノコ皮に変わってしまったら、製造業者は打撃を受けそうだなぁ。個人的には、仕事で使えるノートブックパソコン等を入れて軽快に利用出来る少し薄型のバックパックをいつも探しているのですが、そんなデザインの製品を出してくれないだろうか。ちょっと期待して待ってみよう。

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