今年に入って一番耳にする言葉の一つは「〇〇の値上げ」じゃ無いだろうか。ウクライナ戦争や、予想以上に続くコロナ禍という不確定要素が含まれていることも事実だけれど、原材料費の高騰だけで無く、コロナ禍による世界的な物流停滞による問題は、まだまだ尾を引きそう。
国内のマーケットにおいても、食料品から日用品に消費財など、数十円程度値上げされていて、ファストフード何かも、じりじりし値上げされている気がします。中には、4月に値上げしたのにまた6月に値上げというものも有ったりして、その影響は日常生活にも響いてきています。勿論消費者としては値上げは嫌だし好ましくは無いけれど、ここ30年位デフレ状態に有った日本経済は、これまで以上に「値上げ」に対して危機感というか罪悪感見たいなものが浸透しすぎていて、日々のニュースを見聞きしていても、値上げすることが犯罪みたいな言い方をしている場合も有って、それは一寸違うだろうという気も。
バブルが弾けて、それまでの右肩上がりの所得が一気にダウンし、それ故に低価格商品とか100円均一商品とかが生まれてきたのも、あの頃じゃ無かっただろうか。最近では当たり前のPB (Private Brand)商品が登場したのもこの頃だろうし、あの時代(1990年代)から現在まで、兎に角「安い」事が良いことで、「お値段そのまま」という事が正義見たいな時代が続いていたと言えます。でも、だからと言って全てのものの価格が変化しなかったわけでは無く、皺湯瀬はどんどん末端に行くわけで、その為に製造拠点をより安い中国などへ進出していって、国内産業が大打撃を受けたのもこの時代。それが今では、中国ですら日本よりもコスト高となり、逆に日本に製造拠点を戻したり、日本に下請け作業を依頼する中国企業まで出てくる始末。
時代とともに、ものの値段が上がって行くのは仕方ないと思うけれど、一番の問題はそれに合わせて、可能ならばそれ以上に所得アップをしてこなかったことですよね。所得は上がらないけれど、物価も上がらなかったから何とかバランスは取れていたんだろうけど、それだって限界はあるし。物価も所得も上がらなくても、税金や保険料など隠れた部分で以前よりも割合が大きくなったり、天引き分が増えているものも有るわけで、そう言う意味では実質的には物価は上がるわ、所得は下がるわという、厳しい状況が続いていて、それが可視化されてきたのが最近の価格上昇と言える気がします。だから、ニュース等では物価高をせめるよりは、所得アップしないことをもっと言うべき何じゃ無いだろうか。政府に対しては、減税や補助金をもっと出させるとか、企業に対しては、給与アップを言うべきだろうし。安倍内閣当時は、大企業にベースアップを要請したりして、それなりに効果は有ったんだろうけど、それが継続しないことが問題だよなぁ。ただ、バブル経験者として今思いだしてみても、何が切掛で、何が理由でああいう状態になったのか、はっきりとした事は分からないのですよね。何となく社会全体がイケイケドンドン見たいな雰囲気になってきて、それがどんどん膨らんでいって、最後は限界で破裂した見たいな。行くよ行くよ見たいな周りの雰囲気と、その切っ掛けとなる突発的な事象が揃うと、またバブルみたいな景気の良い正のループ見たいなものが生まれて回り出すんだろうなぁ。ただ、今はどちらも見つからないことが大きな問題なんでしょうね。
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