2022年5月1日

籾殻LED

広島大学の研究グループが、米の籾殻からガラス成分をとりだして、LEDを製造する事に成功したという発表。 最初観たニュース記事では、「お米から量子ドットLEDを作る」と見出しがあったので、???でしたが、正式発表の「籾殻からLEDを開発」も同様に???な状態ですね。

広島大学の発表に寄れば、籾殻の20%はガラス(SiO2)で、それを使用してオレンジ色に発光するナノシリコン(シリコン量子ドット)を合成紙、そこからシリコン量子ドットLEDの開発に今回成功したと言う事らしい。自分家は、昔は兼業農家で自ら稲作もしていて、今でも作付けや管理は別の人に委託しているけれど、幾つか田圃もあって「農業」の中でも「稲作」に関しては未だに生活の一部。昔は、その田圃で脱穀もやって、籾殻はドラム缶に入れて野焼きした物ですが、最近は色々と決まりがあってそれも出来ない。DIYやリフォーム系のYouTubeとか観ていると、壁や天井に籾殻を詰め込んで断熱材として利用する例を時々見るんですが、後は昔は枕に入れたりしたかなぁ...

籾殻の20%がガラス質と言うのもビックリする情報ですが、何処にそんなものが含まれているんだろうか。日本のお米の生産量は年間781万6,000トンとの事。籾殻の量をその5%と思うと、その20%がガラス質だから生産量の1%がガラス質と想定して、7万トン余りが抽出可能と言えます。これが、どれくらいの規模なのかはちょっと分からないけれど、原料費事態はただみたいな物だから、抽出するまでの加工費とそこから利用出来る用途での付加価値がどれくらい何だろうか。単に「自然由来」とか「環境に優しい」という付加価値だけでは、やはり産業としては成立静来だろうからなぁ。

農水省のデータを見ていると、中国やインドは日本の10倍から20倍ものお米を生産しているので、規模のメリットは大きそう。インドネシア、ベトナム、タイ等でも日本の数倍の規模があるから、産業かするとしたらそれら地域で立ち上げるのも良いかもしれない。勿論、日本以外のお米の籾殻がどの程度のガラス質を内服しているのかは不明だけれど、多分それら地域でも籾殻の利用方法は、燃やす以外はそんなに無いだろうから、産業化できるとなったら手を伸ばすところも多いんじゃ無いだろうか。ただ、プラスチックや色々な素材で「植物由来」と言われる物は多いけれど、基本的に加工処理のコストが高くて割高な事も事実。そう言う意味では、この技術も既存の素材と比べて、コスト競争力は低そう。となると、一つは規模のメリットでコストダウンする事も一つの対策になるかも。しかも、「米」というアジア地域では抱負に収穫出来る素材ですからね。多分この手の技術や素材は、コスト競争力が最大の難関だろうから、それがどの程度の物になるのか、一寸続報に期待したいところです。

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