2022年5月19日

「読む力」を読んでみた

暫く前から話題になり、多分今では5万部近く売れているだろう、ジャーナリスト・佐々木俊尚氏の「読む力」を、遅まきながら私も読んでみました。 370ページと結構なボリュームですが、評判に違わず得ることの多い内容で、久しぶりに充実感を感じる書籍に出会えた気がします。

ただ、情報を仕事の素材として扱うジャーナリストという立場と、自分のようなエンジニア(の端くれ)とでは、扱う情報の種類も異なるし、その使い方も異なるわけで、そう言う意味では書かれている内容をそのまま仕事に適用すると言うわけには行かない。ただ、自分の日々の生活の中の行動や考え方を、この書籍の内容に沿ってちょっと味付けしてみると、自分のスキルが少し豊かになり、結果的に仕事にもプライベートにも効果的だろうなぁと言うのが最初の印象です。

書籍の中では、いろいろなアイデアや考え方、所謂「Tips」が散りばめられているんですが、その中でも「後で読む」をストックしていくとか、乱雑な情報はあえて整理せずに、ある時に点と点が結びつく瞬間(=神が降りてくる時)が生まれる条件作りをすると言う米子とは、自分もこれまでの長い経験から何となく実行してきたことと似ているので、そう言う意味ではちょっと自信が持てたかもしれない。

佐々木氏は最初に、毎日400サイトを回遊し、1000本の見出しに目を通し、10本の記事を8時迄に投稿すると書かれているんですが、その中でも一番重要な事は400サイトの回遊や1000本の見出しチェックというインプットをすると同時に、10本の記事作成というアウトプットもしていることだと思う。それによって、自分の中で知識の咀嚼みたいな物が実行出来て、より深い理解や新しい洞察みたいなものも生まれるし、新しい関係性の発見と言う事も生まれてくると思う。個人的には、何か疑問が生まれたら自分の中で質問と回答のサイクルみたいな物を回すようにしているんですが、それも近い行為じゃ無いかと思う。どうしても、知識を記憶して終わってしまう事が多いのだけれど、単純なことでも良いからその知識を「使う」事をしないと、本当の意味でのスキル「知肉」には中々ならないと思う。すでに、何回か読み直しているんですが、途中からでも情報として完結しているし、読み返す度にまた新しい発見というか考え方が生まれて、中々一粒で何度でも美味しい本だなと思っています。後は、自分自身でどれだけ知肉にして成長できるかということで、それは自分自身の責任ですからね。まだまだ、新しい事への興味は失いたくない。

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