2022年5月18日

キラキラネームの市民権

法務省が戸籍に使用出来る、所謂「キラキラネーム」の規準を決めようとしているというニュース。「氏名」というのは、今の所その人を認識する一種の「ID」な訳だから、多くの場合多数の人がそのまま認識出来る物の方が良い反面、例えば「鈴木太郎」というように、良くありそうな名前の場合には逆に認識されずに誤認識されたままという可能性もあります。名字を変えるのは中々大変だから、名前の方をユニークなものにして認識率を高めたいと言う希望も、多くの親御さんが持っている物だと思うけれど、仮に結構ユニークな名前を考えて子どもに付けたとしても、成長してみたら同じ名前似たような名前の人とあってしまう、と言う事も結構有りそう。

何時頃なのか分からないけれど、20~30年位前から漢字の音訓読み等とは全く関係無い、それっぽい漢字に読み仮名を当てはめる「キラキラネーム」がブームになってきています。時々テレビに登場する、20~30代の人の名前が、結構この手の「キラキラネーム」っぽい人が増えたように感じるのは、多分それ位の時間が経過したからなんじゃないかと。でも、私くらいの年代の人間からすると、「真莉愛(マリア)」「亜斗夢(アトム)」位ならまだしも、 「騎士(ナイト)」とか「大空(スカイ)」なんて、先ず初対面では読めないし、聞いても覚えられないと思う。最近の学校の名簿では、そう言う事例が多いのでわざわざ読み仮名を付けているそうですが、戸籍も今後は漢字表記だけでなく、ひらがな・カタカナの読み仮名と、あとローマ字表記も含めて記載しないと駄目なんじゃないだろうか。

ここでふと思ったのが、日本では「当て字」という物も広く存在していて、「珈琲(コーヒー)」とか「背広(セビロ)」みたいな音で語呂合わせした物はまだしも、「麦酒(ビール)」「頁(ページ)」みたいな、何となく慣例性はありそうだけれど、そのままでは発音に繋がらないようなものに関しては、結構困ることも。只、そのまま「ばくしゅ」とか読んでも通じるからまだ良いけれど、キラキラネームの場合はそのまま読んでも当てはまらないことも多いしなぁ。「光宙(ぴかちゅう)」は、確かに「宙=ちゅう」は正しいし「光」も関連性はあるけれど、そのままでは「ぴかちゅう」とは想像出来ない。うちの姪っ子、甥っ子のところの子供達は、まぁ一般的な名前で、正直ホッとしたところはあるんですが、ああ言う名前を貰って物心ついて、さらには仕事とかやり出す年齢になったらどう言う気持ちになるんだろうか。その名前の由来となった、例えばポケモンなんかは今でも続いているから良いけれど、連載も終わり今ではそんなに記憶されないようなキャラクターの名前とか付けられたら、20年後30年後に後悔しても仕切れないような気がするなぁ。生まれてから死ぬまで自分の一部になる物で、でも自分自身で選択出来ないものなのだから、やっぱり親の責任は大きい気がする。

名前とは別に、マイナンバーも今は自動的に採番されて利用されるわけで、もしかしたら今後人との往来はそちらの方が利用されるかもしれない。特にネットワーク経由やリモート経由での交流が中心になったら、登録はマイナンバーでそのアライアスとして本来のキラキラネームを関連付けさせておけば、こちらでなんと呼ぼうが相手には正しく伝わるみたいなFEP(Front-End Processor)機能が必須になったりして。あるいは、アバターのニックネームが、今で言うところのビジネスネームやニックネームとして確立して行く時代になったりして。まぁ、タレントさんとか俳優さん、あるいは著名人の中には、芸名とかそう言う類の物をそのまま使う人も多いわけで、そう言う事が公式にも利用出来るような時代になるのかな。まぁ、数年ごとに同窓会を開いたら、その度に名前が変わっている友人というのは、個人的にはちょっと信頼出来ない気がするけれど。あと、「キラキラネーム」と言うけれど、個人的にはほとんど「キラキラ」の煌めきは感じないものがほとんどな気がする。

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