2022年5月10日

ロシア戦勝記念日

多分、昨日一番注目が集まったであろう、ロシアの戦勝記念日の式典。モスクワの赤の広場には、プーチン大統領を初めとした要人や招待客が壇上に並び、多くのロシア軍人や兵器の行進があり、そしてプーチン氏のスピーチ内容に世界中の注目が集まった瞬間でした。

日本時間の午後4時15分位からスピーチが始まると、NHKや民放でも生中継するとともに、ロシア語の同時通訳も入り中継されました。個人的に最初に驚いたのは、少し前までは健康不安説迄出ていたプーチン氏が、画面上は元気そうにスピーチをして居た事。少し前に、ショイグ国防相と一対一の会談をしたときには、妙に前に引いて座っている様子や、右手で机の角をかなりしっかり握っていたことから、自分で立てないのではないかとか、いろいろ憶測が流れていました。ただ、その後立って演説する様子も流れたりしていて、あれは何だったのか不思議でしたが、少なくとも現在は外で立って演説するくらいの力は残っている様子で、健康不安説は当初よりは小さくなっているのかなという印象。ただ、以前比べて顔が凄くむくんでいるように私は感じるんですよね。加齢によって顔つきは変わるものだけれど、個人的にはそれだけでは無いようにも感じるところ。

同時通訳で演説の内容も聞いていましたが、当初言われていたような、「戦争への移行」とか「核の使用」とか「勝利宣言」と言うものは無くて、どちらかというと淡々と現状を述べながら「作戦は予定通り進行している」と言うような事を述べているように感じした。同時通訳なので翻訳するにしても限界があるだろうけれど、その後出てきた翻訳文などを見ても、そんなに違った内容でも無くてちょっと拍子抜けした印象も。ちょっと意外だったのは、天候不良のために飛行展示が中止されたと言う事なんですが、中継された赤の広場の様子を見る限りは、青空も見えていたし、確かに雲の量は多かったのかもしれないけれど、「天候不良」という程の程度では無かった気がしたんですよね。で、肝心のモスクワでの展示飛行が中止されたからか、地方での展示飛行も中止されてしまい、そう言う意味では自国の勢いを示すべき「戦勝記念日軍事パレード」は、ちょっと拍子抜けした印象です。

赤の広場前の行進を見ていて感じるのは、ロシアの赤の広場、中国の天安門広場、そして北朝鮮の金日成広場の軍事パレードと、どこも同じように広い広場があってそこで軍事パレードをしている。所謂西側の国での軍事パレードってあるのかよく分からないのですが、少なくとも日本ではああいう光景は見られる場所も無いし機会も無いでしょうね。行進だけなら、例えば富士の総火演とかでは有るのかもしれないけれど、ああいう「〇〇広場」みたいな場所でのパレードは無理だろうなぁ。でも、画面越しに見ていても、今回のロシアによるウクライナ侵攻同様、まさに「力こそ正義」という雰囲気がプンプン感じられるもの。そう言う意味では、今回のプーチン大統領の演説を聴く限りは、この戦争は長期化する事だけは確かなのかもしれない。だからこそ「力こそ正義」のロシアとしては、もうゴールはウクライナを倒すことしか無くなったわけで、ある意味退路を断ったようにも感じられました。それ故に、ウクライナの悲劇は、短期的に解決することはますます難しくなるわけで、何とも言えないジレンマを感じます。 唯一の希望は、ロシア国内でのプーチン支持率が、これまでの80%台から70%台まで下がり、ロシア国内の雰囲気も少しずつ変わってきている様子でしょうか。「プーチンの未来」ではなく「ロシアの未来」をロシア国民が一日も早く取り戻すことで、この悲劇を一日でも早く集結して欲しい。

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