2022年4月28日

共通化

ウクライナへの支援策の一つに、現地で必要とされている武器弾薬の支援がありますが、何でもかんでも送れば良いというわけでは無くて、ウクライナ軍で使用して操作に慣れている武器がまずは必要。所が、ベースがロシア製の武器ということもあり、世界的に見ると結構限定されている部分もあり、中々必要とする物も集まらない状況に。国によっては自国製兵器やアメリカ製武器を送るケースもあるみたいですが、そうなるとその使用方法を一から学習しないといけなくて、投入までに時間が掛かることに。時間勝負の戦場では、それはかなりのデメリットになります。

単純に、銃の弾丸にしても、使える物が違って融通する事が出来ないと、弾が残っていても撃てなくなる状況も想定されます。また、戦闘機にしても、タイプが違えば操縦系統も違うし、操作方法に慣れていないと一瞬の判断よりも先に相手の先をとる瞬時の勝負では、全く役に立たないことに。自動車でも、例えば代車とかレンタカーを利用して、何時もの自分の車と違う車を運転するときには、やっぱり違和感を感じますからね。ハンドル、ペダル、レバーと、ほぼ共通化されている自動車にしても、慣れている自分の車との微妙な違いが咄嗟の時の対応に影響するくらいだから、戦闘機とか武器の類はもっと大きいことは想像するまでもない気がします。

例えば日本が同様の状況に将来遭遇した場合、多分アメリカ軍との武器の共通化はある程度出来るのだろうけど、そこにそれ以外の国の援軍が来た時にはどうなんだろうか。そう言えば昔PKOで、韓国軍の弾薬が不足したので、日本の自衛隊が貸して上げた見たいな話があったけれど、それ位の互換性維持は考えているんでしょうね。でも、韓国でも航空自衛隊(F-15J)と同じF-15戦闘機(F-15K)を運用しているけれど、いきなりそれに搭乗して操縦しろと言われたら、やっぱり困るだろうし、離陸は出来てもそのまま戦闘に入るというのは無理だろうなぁ。多分、例を挙げ出せば幾らでも出てくるんだろうけど、自主開発とか国内生産である程度国内の体力維持が必要な反面、万一の場合を考え取る共通化とか互換性維持と言うことも重要で、そうなると装備の内容や更新スピードみたいなものも相手と合わせないといけなくなって、国内の防衛事情とは異なる状況にも対応しないといけなくなるのかな。

自分が仕事をしている情報端末の世界では、極端な言い方をすると「OS」で共通化が計られていて、幾つかの勢力で纏まっているわけですが、それでも色々細かな仕様の違いとか互換性の問題は毎回のように生まれてきます。互換性をイズすることを大前提に、何年も仕様策定に時間を費やし、検証機能や認証機能なんかも通過しても、やっぱり違いが生まれたりしてくるわけで、互換性維持というのは並々ならぬ労力が必要。でも、万が一の場合には直ぐに代替可能な訳なので、備えとしてはこれほど心強い物は無い。日本でも防衛費の増加に対して肯定的な意見が増えていますが、やはり多くの国にとって今回のロシアの侵攻は衝撃であり、自分達の防衛体系(武器や防衛用品)の準備を見直しているところじゃないだろうか。全部が全部では無いけれど、実際の武器以外の部分は日本の場合は防災対策にも繋がる部分も大きいわけで、そういう所も含めて再考する機会だと考えたいですね。

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