2022年2月17日

電撃移籍

昨日日本のアメフト界をざわつかせたビッグニュース。昨シーズンの日本一富士通フロンティアーズの中心選手の一人で、レシーバーとしてオールジャパンクラスの力を持つ宜本潤平(よしもと じゅんぺい)選手が、富士通からノジマ相模原ライズへ電撃移籍。ノジマ相模原側が、わざわざティーザー広告みたいなことをして、しかも発表と同時にチームユニフォーム姿の候補売り資料(写真)まで入念に準備していたくらいなので、かなり力を入れた補強と思って良いのかな。 

これまでも有名選手のチーム移籍の例が無かったわけじゃ無い。昔は、多くのチームが企業チームで、所属選手=オーナー企業の社員、という事も有ったので移籍という機会は多くは無かったのですが、最近はクラブチームが殆どになりそう言う制限は殆ど無くなったので、以前よりは増えたのですが、今回の場合はちょっと意味合いが違う。富士通は企業チームなので、席を富士通社員に置いたままの移籍なのか、退職しての移籍なのか、そこまでは不明ですが、中々企業チームからの移籍となると大変じゃ無いだろうか。しかも、昨年日本一のチームからですからね。

移籍先のノジマ相模原は、10年位前に突然スポンサー企業が廃部を決定し、メンバーはその当時のメンバーがほぼ残ったけれど、チームとしては「新規参入チーム」扱いとなり、リーグ加盟申請から積み上げてトップリーグに昇格してきたチーム。色々工夫をしている前向きなチームなのだけれど、残念ながら試合結果では今ひとつの壁を破れずに、実力を発揮できずにここ数シーズン過ごしている勿体ないチーム。メンバーにしても、実力にしても、トップチームと互角に戦えるだけの戦力はあるんですが、どうもあと一歩の詰めが甘いというか何というか。今回は、宜本選手の加入というビッグニュースがあったんですが、その直前には多くの退団者の発表が有り、特にオフェンスラインが3人今の所退団し、レシーバーも2人退団という、何か宜本選手と1-5のトレードしたのと思いたくなるような状況。失礼を承知で言えば、ノジマ相模原オフェンスではオフェンスラインが今ひとつというのが弱みの一つでもあり、3人も抜けた後にそれ以上の人材が入れば良いのですが、そうで無いと今シーズンはこれまで以上に厳しい状況になるんじゃないだろうか。宜本選手にしても、宝の持ち腐れにならなきゃ良いのだけれど。

トップリーグのX1 Super (12チーム)、X1 Area (8チーム)で20チーム。その下のX2リーグと併せても40に届かないチーム数しか無いリーグなので、移籍しようにも限定されてしまい、移籍するならそのまま引退という傾向が強かったこれまで。今回の様に、実力のある選手がライバルチームに移籍して、戦力がどんどん均衡化していけば、より接戦か増えるのでファンとしては願ったり叶ったりになるはず。勿論、リーグ所属のチームはますます大変になるわけですが、昔のプロ野球の巨人じゃ無いけれど、あの頃よりは今のように毎年優勝チームが変わるような状況の方が、ファンとしては面白いはず。日本のアメフト界も、チーム数が少ないのであれば、なおのことどの対戦を見ても高いレベルの鬩ぎ合いが体験出来るようにならないと、中々ファンの開拓も出来ないし、マーケット拡大にも繋がらない。そう言う意味では、新人選手の獲得に関してはドラフトみたいなシステムで公平性を担保しつつ、移籍選手に関しては有る程度の制限は必要とは思うけれど、チームフィロソフィーに共感してとか、新しい日本一チームを創り上げるとか、そういう「気持ち」でチーム作りに参画するような選手に関しては、どんどん移籍を奨励するような仕組みを作って欲しいですよね。まだまだオフシーズン中で、春の試合もどうなるか分からないけれど、更なるビッグニュースは出てくるのか。今年はストーブリーグも面白そう。

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