2022年2月7日

リセットしたら何でも「スッキリ」

産経新聞に掲載された、沖縄選出の元衆議院議員・屋良朝博氏の発言。 

『独立したらスッキリするねぇ』

まぁ、気持ちは分からないでも無いし、記事中に指摘されているように、沖縄兼よりも規模も人口も小さな「国家」は世界の中で探せば幾つかはあるかもしれない。でも、一寸無責任な発言でもあることは確かな気がする。

まず「独立」の意味は、何処までの独立なのだろうか。今の沖縄県は、日本国の一地方自治体な訳だけれど、文字通り「独立国家・沖縄」となりたいのか、あるいはアメリカの州のような、日本国には所属しているけれど、行政等の面で独自性を強めた、東京都よりもさらに独立性の高い「自主財源・自主政策」を持てるような地位を期待しているのだろうか。まぁ、彼らの一番の課題は沖縄駐留米軍問題で、その米軍基地撤退が一番の課題だろうから、そうなると「独立」する事で「安全保障問題」に対しても独自の立場を主張できる位の地位になりたいと考えていることは確か。となると、日本国に所属している間は、どうしても安全保障問題は「日本とアメリカの課題」になってしまうから、「沖縄国」として独立することを想定していると言えるでしょう。

その場合、逆に彼らは経済的・地勢的に安定した存在として、今の地位と同等以上の生活を維持出来るのかというのが大きな課題に。旧宗主国として、独立後の日本がどれだけ沖縄国に対して恩恵措置を取るかにも寄るけれど、結構経済的に依存度が高いだけに、またアメリカ基地経済にも依存して居る部分はあるだろうから、その影響も大きいのでは。例えば、沖縄路線は国内線の中では人気トップの路線の一つだけれど、これが国際線となるとどれだけの人流が発生するか分からない。日本と韓国の往来が、日本の地方都市からの路線も含めてコロナ禍前は旺盛だったから、それに近いことは可能かもしれないけれど、あれは韓国の観光地としての人気も走だけれど、仁川経由での国際線乗り継ぎが便利という面もあったから、那覇空港をもっと拡張しないと同様の事は難しいかもしれない。

 沖縄県の一般会計を見ると7,300億円位なんですが、税収は1,300億円位。逆に、地方交付税が2,100億円で、さらに「国庫支出金」の1,900億円が、所謂「沖縄振興予算」の一部じゃないだろうか。合わせて、一般会計の半分以上が、日本国からの支援に頼っているわけだけれど、独立するとこの予算が無くなることを前提にしないといけないわけで、その対策はどうするのか。それこそ、日本では無く中国の属国としてでも新たに契約をしないと、とても無理な気がするし、あるいは沖縄国民の生活レベルを一気に下げて社会費用を減らさないと、無理なんじゃ無いだろうか。「リセットしてやり直す」事は、一番簡単で後腐れ無くて、柵も無くなるから一番理想的な気がするんですが、実際にやってみると、これまで当たり前に存在していた物が無くなるので、その手当から考えないといけない。独立して一人暮らしを始めるのが良い例だと思うけれど、それこそ布団から家電製品の手当に、さまざまな申請手続き。そう言う事をしつつ、日々の生活だって続けないといけない。回りにコンビニとかスーパーがあれば、取りあえず食べることには困らないかもしれないけれど、当初はお金も無いからそればかり続けることも出来ない。パソコンのリカバリーも同様ですが、確かに全部消してリセットするのはスッキリして楽だけれど、そこから元の状態に戻していくのがかなり面倒というか大変。結果、「もうリカバリーなんかしたくない」と思うことも少なくありません。一般の人がそう言う事を言うのはまだしも、国会議員として責任があった人がそう言う事を言うのは、職場放棄というか職業放棄に近い考えじゃ無いだろうか。まぁ、落選しているから言えるは無しだとは思うけれど。

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