2022年1月18日

高架下の憩い

浜松市在住の人でも、JR浜松駅や遠鉄新浜松駅を利用しない人には、殆ど馴染みが無い場所だと思うけれど、遠州鉄道西鹿島線の、起点である新浜松駅と次の第一通り駅の間の高架下にある施設「ザ・ゲート・ハママツ」が解体されるという記事。 

JR浜松駅に隣接する「新浜松駅」と、市北部の「西鹿島駅」を結ぶ、遠州鉄道西鹿島線は、昔から「赤電」の名称で利用されている私鉄で、今でも単線運行なんですが、新浜松駅から途中の「上島駅」の先までは、高架化されている全国的にも珍しい私鉄。私が高校生くらいから、その高架化工事が始まり、完成したのは大学に通っている頃なんですが、それまで地上を走っていた電車が高架化されて空中に上がったので、その高架下の空き地を利用して「ガード下」みたいな店舗にしたのが、今回解体される部分で、最初は「ベンガラ横町」とい名称の飲食店が多数入る店舗でした。私の知っている場所で言えば、新橋駅とか有楽町駅から東京駅へ行く途中辺りの、ガード下の雰囲気。

浜松市は、今でこそ政令指定都市で、静岡県でも一番大きな都市(人口数でも、面積でも)なんですが、なんせ駅前や駅周辺が寂しいことで昔から有名。駅を外れて少し歩いたところには、昔からの怪しげなお店が立ち並ぶ地域はあるんですが、なんせ市民の移動はJR浜松駅と遠州鉄道新浜松駅が起点になるので、本来ならばその周辺がもっと賑やかになるべき何ですが、何故か昔から一寸寂しい雰囲気の場所で、しかも唯一の集客起点であった老舗デパートの「松菱」も破綻して無くなってしまったから、ますます寂しくなってしまった。そこに、10軒位だったかなぁ、ベンガラ横町が出来て、それに誘われて回りにポツポツとお店も増えて、最初は賑やかになって、私も何度か利用した事がありました。ただ、その後郊外に大きなモールがどんどん出来はじめて、人流もそれらを起点に動くようになって、その後また寂しい地区に変わってしまい、その「ベンガラ横町」も名前や内容も変わりつつ、少し前からずっと閉鎖されていた場所。遠鉄の路線は、高架でもあるので、結構以前から耐震工事が進められていましたが、一番重要な新浜松駅近くのこの部分の工事がまだだったとしたら、やはり解体して耐震工事を優先するのは仕方ないでしょうね。

自分が高校生まで居た頃と比べてこの駅周辺はがらっと様相が変わっていて、昔は昔からの小さな住居が密集しているような場所で、小売りのお店が並ぶ中に核テナントとしてのデパートが何店か有った「商業地区」でした。それが、経済が加工していくとそれらデパートが撤退し、どんどん寂しい地区に変わっていきました。それが20年位前かな、駅周辺の再開発が始まり、区画整理が進められて、今では昔の商業地域は高層マンションが並ぶ「居住地区」に変わっています。そう言う意味では、住民を対しようにしたお店なんかのニーズは高いと思うので、結構この手の高架下のテナントなんかも利用価値が生まれてくると思うけれど、それももう少し先になってからでしょうね。未だに「松菱」の跡地は更地のままで、本来なら市中心の一等地なんですが、何年も更地のまま。まだまだ経済的に賑やかさを取り戻すのは時間が掛かりそう。地元民の一人としては、昔の賑わいをもう一度取り戻して欲しいですねぇ。

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