2022年1月24日

アナウンサーから研究者

日本テレビの桝太一アナウンサーが、昨日の「報道特集バンキシャ!」の中で、この3月一杯で日本テレビを退社し、同志社大学のハリス理化学究所の専任研究所員として、第二の人生をスタートする事を発表したそうな。多分多くの人は、「枡アナ、日テレ退職」と聞けば、「フリーアナウンサーに転職?!」と思うだろうけど、研究職に、それも自分の専門のアサリ等の魚類研究では無い分野らしいと言うのもちょっと以外。さらに以外なのは、流石に昨年引き継いだばかりのメインMCを変わるわけには行かないからだろうけど、MCとしてバンキシャ!は続けるというもの。となると、それ以外の番組、例えば「鉄腕ダッシュ」のダッシュ海岸物とかはどうするんだろうか。

そのダッシュ海岸では、海岸での生物調査だけでなく、東京湾での生物調査の時には、報道番組などでの枡アナウンサーの印象とかなり違っていて、凄く無邪気というか生き生きした印象を毎回受けていて、あぁ、やっぱりこの人はそう言う生物学が好きなんだなぁと勝手に納得した次第。それが今回の件で、多分研究するとかそう言う事が根っから好きな人なんでしょうね。ご本人の足下にも及ばないけれど、専門分野は異なるけれど同じ理系の人間として分かる気がします(笑)。

その研究所では「サイエンス・コミュニケーション」という学問分野に取り組むとのことで、個人的には何となくイメージは沸くんですが、余り馴染みのある言葉では無く、調べてみたら結構以前からある分野のよう。枡氏ご本人は、退社に関してのコメントで「科学界の池上彰になりたい」みたいな事を言ったみたいですが、それは止めて欲しいなぁ。私は、「科学=論理的」なものだから、池上氏のように曖昧な言葉で錯誤を誘発して何となく「分かったつもり」にするのでは無く、「分からないなら、その疑問を残して更に追求する」ような意識を残すような説明をして欲しい。強いて言うならば「理化学界のさかなクンになりたい」と言ってくれれば、凄く分かりやすいし期待値も上がると思う(マテ)。

科学というか理系の話は、多分に確率に支配されている世界なので、「100%〇〇」「確率は0%」みたいな良い会派しないので、逆にそれを聞いた人が疑心暗鬼を感じることも多い。その最たるものは、福島第一原発に関わる風評被害だったり、原発の再稼働に対してのアレルギーだったりするし、卑近な例では5Gでものが手にくっつくみたいな話まで、情報が世の中にどんどん拡張されて氾濫するようになると、本当に突拍子も無い話が「事実」とか「正解」みたいな形で、まことしやかに信じられていくのは、情報リテラシーの大きな皮肉にも感じます。iSP細胞の山中伸弥教授だって、あれだけの実績がありその有効性も将来性もある技術なのに、肝心な研究費が足らずに自らお金の心配を研究よりも優先するくらいですからね。有望な研究者が、海外特にアメリカや中国に流出する事も問題になっているけれど、まずは自分達の仕事をちゃんと理解されて、それに対して正当な評価をしてもらい、そこから得られる利益に対して対価が提供されるエコシステムがちゃんと日本でも機能しないと、将来のノーベル賞云々以前に、自分達の生活がどうなるか不安な社会になってしまいますからね。そう言う意味では、桝太一アナウンサーへの期待値は大きい気がします。

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