定期的にでてくる、英語会話、英語交渉力に関わる話。私も仕事やプライベートで英会話能力、英語力は欠かすことの出来ないスキルであり、ビジネスツールなんですが、それを獲得する切っ掛けというか背景は、結構運に恵まれていた気がします。それは、この記事に書かれているような必要な事柄に、私も運良く遭遇する事が出来て、実は結構苦労すること無く獲得すること出来たから。 筆者の言うところの英語スキルを伸ばす必要条件をまとめて見ると、以下の3要素に集約できると思います。
- 日本語能力(読み、書き、読解力、背景知識)
私は小学生の頃から本を読むことが好きで、一番好きだったのは早川のSF物だったですが、それ以外にも伝記物とかも好きで、結構知らないうちに漢字を覚えたり、言い回しだったり言葉の使い方なんかを覚えたりしました。また、SF好きから科学系の書籍を読むのも好きで、そう言う関係の書物も年齢が上がると読むようになり、そこから高校移行は理系への道を進む切っ掛けになったと言えます。それと、小学生に上がったときから中学生3年で卒業するまで、9年間学研の「科学」と「学習」を毎月買ってもらっていて、それをずっと読んでいました。だから、同年代の子どもと比較して語彙力だけで無く、文章を読むこと、書くことや、文系の文化的背景知識や理系の科学的知識なんかも自然と覚えたりしたもの。実は、そう言う日本語として読み書きだけで無く、日本語でちゃんと考えて理解出来る能力がどれだけあるかで、後に言語としての「英語」を使う上で凄く重要な要素になったと感じています。言葉で考えるのでは無く、頭の中で物事を考える能力がどれだけ備わっているかという、言ってみれば「知識の基礎」が重要。それが日本人の場合は、どれだけ日本語や日本の知識背景を理解しているか、という「日本語力」に関わってくると言えるんじゃ無いかと。 - サバイバル経験
筆者は、シンガポールで英語の洗礼を受けたようですが、私も入社して3年目に初めてアメリカに2週間出張しましたが、この時は先輩社員が現地でつきっきりのアテンド状態で、実は殆ど英語を使う機会はありませんでした。それが、その1年後に今度は自分が出張初めての先輩、後輩社員の面倒を見ることになり、さらに何だかんだで延べ7ヶ月アメリカに滞在する事になり、嫌でも英語だけの生活が続きました。正直、今の自分の英語スキルの95%は、この時に獲得出来たと言えます。最初の2ヶ月位は、まう全く箸にも棒にもかからない状態でしたが、2ヶ月が過ぎて丁度3ヶ月目が始まる頃、本当に「突然開眼した」状態になり、本当にある日の朝からそれまで早口で聞き取れなかった仕事仲間の会話が、すっと耳に入って理解出来るように。それに合わせて、話す方もすらすらと単語が口から出るようになり、自分は気がつかなかったんですが、周りに居た日本人の同僚からは「普通に会話している」と言われて、こちらがビックリしました。そんな状態になってから、さらに半年近く英語漬けの状態で仕事や現地で生活していたので、結構しっかりスキルとして根付いたみたいで、あれから20年以上経過しているけれど、特に不自由を感じること無い状態を今でも維持出来ていて、本当にあの時出張に送り出してくれた当時の課長には感謝しています。 - ディベート経験、能力
出張中は勿論、それ以降も自分の仕事相手の80%以上はアメリカの部門相手なので、どうしたって週に何度かは英語での電話会議がありますし、メールは全て英語でのやり取り。さらには、問題が発生すれば、その原因や対策をプレゼンしないといけないし、当然偉い人からの理不尽な(笑)ツッコミもあり、それもかわしつつ仕事を進めないといけない。「ディベート能力」というと一寸違う部分もあるかもしれませんが、相手と話をして、是々非々でちゃんと結論を出すという能力は、この時にかなり鍛えられていて、それは今でも続いている話。ロジックで話をするとか、数字に物を言わせるとか、名より実をとるとか、そう言う駆け引きというか交渉術は、会話の相手が殆どがアメリカ人だったり、後にアジア(中国、台湾、韓国、インド)だったりしたので、かなり鍛えられました。最終的な目的は、綺麗な英語を話すことでは無く、ビジネスとして成功する、自分の利益を獲得する事な訳ですが、そこは何を目指すのかは判断が必要だと思います。だから記事にも書かれているように、自分も理解出来る言葉に言い換えたり、直接の言葉が浮かばなければ、間接的にどう表現するかと異様な、多少英語がおかしくてもビジネスとしては成功すればOKという事。ただし、やはり相手から見たら、変な文法や語句の英語を話す人よりは、ちゃんとした言葉で話しをしてくれる人の方が信頼されることも事実なので、いつまでもブロークンなままで良いとは思いません。やはり、仕事の内容や地位によっては、それに相応しいレベルの話方をちゃんとしないと、相手にされないことも事実。時々ブロークンなことを自慢する人が居るけれど、それは通じていると言うよりもそれ以外の要素(例えばお金とか知名度とか)が補っていると考えた方が良いわけで、そこは勘違いしちゃいけないと思う。
で、記事には書かれていなかったんですが、一番重要なことは「英語は英語で、日本語は日本語で考える」事。私も、最初の頃はどうしても「日本語→英語、英語→日本語」という翻訳をして話をするようになっていたんですが、最初の3ヶ月で壁が壊れたときに感じたのは、英語を聞くと頭の中にその言葉のイメージがわいてくるような感覚が生まれたことなんですよね。"Cat"と聞いて"猫"と漢字変換するのではなく、"Cat"と聞くと直接猫のイメージが頭に浮かんでくるような感覚。だから、いちいち日本語を中間に挟まないから、理解もスムースになるし会話のテンポも上がるし。それって、常に経験していないと中々維持するのも難しいし、語彙力もそれなりに必要なんですが、そう言う感覚があると、英語単語・熟語として知らない言い回しであっても、何となくイメージとして沸いてくることが結構あって、それが当てはまったりします。一番下の姪っ子は、アメリカにインターンで滞在したこともあってか、そう言う伯父さん理論を結構理解してくれているので、ちょっと嬉しいのですのが、まぁ彼女や一番上の姪っ子の子どもが仕事をバリバリする時代では、機械翻訳や自動翻訳機能も含めて、英語で会話することが、今の若者言葉くらいに普通になる時代になるんでしょうね。
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