2022年1月6日

高温ガス炉

次世代原子力発電はSMR (Small Modular Reactor)が本命で、多分唯一の解決策と思っていたんですが、こんな技術もあって実証実験まで進んでいたんですね。 HTGR (High Temperature Gas Reactor)「高温ガス炉」と呼ばれる技術で、一次冷却材としてヘリウム使用する物はこう呼ぶみたいですが、さらに高温(1000度以上)で使用する、VHTR(Very High Temperature Reactor)「超高温原子炉」というものが本命らしい。

福島第一原発事故の経験から、どうしても冷却水とか水素爆発という部分が気になるけれど、それらの要素を持たずに、安全に運用可能な原子力発電と言えるみたい。さらに面白いのは、超高温の熱源を利用して、クリーンエネルギーでもある水素の製造も同時に可能という事。水素の利用に関しては、自動車メーカー各社が水素エンジン車を開発指定居て、今後の「クリーンエネルギー」としても重要な位置を占めているし、基本水を分解すれば生成可能だし燃焼すれば水に戻るから、ある意味無尽蔵に存在するエネルギーと言えます。自分などは電気分解が一番馴染みがあるけれど、もっと効率的に製造出来る技術の一つらしい。

記事によれば、大洗にある実証実験設備は東日本大震災で一旦運用停止為たけれど、その後新しい安全基準を満たして昨年9月から出力100%の再稼働を果たしているという事は、現状でも十分に実用化可能ということですよね。日本の原発は冷却水の関係から海岸線沿いに建設されていて、この実証実験設備も海岸に近い場所あるみたいですが、設備自体は冷却水を使用しないから、例えば山の中に建設しても良いわけですよね。また、現行の原発設備は慎重な地盤調査をして、安定為た岩盤が存在する場所に設置するけれど、記事を読む限りではそう言う場所とは思えない。30mも地下を掘り下げて原子炉を設置していることから、あと原子炉の規模も小さいからか、そんなに地盤要件も厳しくないみたいなので、必要な場所に必要な規模の発電設備を設置する事が出来るんじゃ無いだろうか。それも大きなメリットになると思う。

記事を読む限りでは、基本的な技術は日本が持っており、後は幾つかある次世代原発技術の中での配分をどうするかという所のような気がします。私は、基本SMR派だったけれど、有る程度大規模な都市圏(政令指定都市とか中核都市くらいまでの自治体)には、このHTGR/VHTRの発電施設と水素製造設備を設けて、その地域で閉じた「発電サイクル」を形成することで、万一の災害時にも耐性のある都市計画が可能になるんじゃ無いだろうか。その中で、例えば浜松市のように南北に長い場合は、南側の人口密集地域にはこのHTGR発電、山間部にはSMRを地域毎に複数設置するみたいな組合せが効果的な気がする。自身で南側の地域が被災したときには、山間部のSMRから電力融通したり、逆に山間部で土砂崩れなどあればHTGR側から融通するとか。また、工業地域は海側にも山側にもあるから、そこに隣接してHTGR/VHTRの設備を設置して、水素利用するのもありかも。今回初めて知った内容ですが、まだまだに本の原子力技術も捨てたもんじゃないなと、ちょっと嬉しくなった記事です。

0 件のコメント:

コメントを投稿