「グリーンエネルギー」と言えば、先ず思いつくのは「太陽光発電」。さらに、風力発電や地熱発電に、水力発電くらいまでが直ぐに思い浮かぶ範疇でしょうか。「環境に優しい」「再生可能エネルギー」という触れ込みで、日本では11年前の東日本大震災移行一気に拡大して行ったけれど、正直なところ「グリーン」あるいは「クリーン」というイメージとは裏腹に、特に太陽光発電ではFITでの利益獲得を目指した無理な開発が増えて、その最たるものが昨年の熱海での土石流事故だったことも事実。
「非グリーンエネルギー」としては、火力発電特に石炭火力発電がやり玉に挙がっていて、さらに石油火力や、最も効率的なLNG火力発電も「好ましく無い」と言われる時代。原子力発電も、特に日本国内では東日本大震災での福島第一原発事故以来「非グリーンエネルギー」という扱いになり、国内では震災時の安全対策の問題で運転停止している発電所が多いけれど、世界的にも使用済み燃料処理の問題とか「原発=原爆」みたいなイメージから反対する声が大きい事も事実。以前も書いているけれど、長期的に自然エネルギーや再生可能エネルギーに移行することは賛成だけれど、それらの欠点(出力調整出来ない、安定供給できない、自然環境破壊とのバランス等)を考えると、既存の発電方法と上手く棲み分けをしたり、バランスを取って行くことが最優先課題だと思うのに、善悪の話に振ってくるから議論が噛み合わない。
東日本大震災直後、大規模な電力不足の状態になり、節電だけでは足らずに強制停電などの措置も行われるくらい電力状況が切迫したもの。夜間の電飾などは勿論、噴水等を止めたり、エスカレーターやエレベーターの運転も停止したり間引いたりして、徹底的に全国的に節電対策が取られて、それでも電力が足らずに苦労したのは11年前。あの頃は盛んに「節電」とか言っていたけれど、気がつけば今はそんなセリフを聞くことも無く、止まっていた噴水などもいつの間にか再開していたり、夜間の電飾も再開している。今年の冬は「厳冬」が言われていて、電力不足も危機的な状態と昨年末には言われていて、停止した古い火力発電所を再稼働したりして何とか凌いでいるけれど、その理由の一つが再生可能エネルギーSDGsのかけ声の下、火力発電所が運転停止したり、ベース電力になり得る原子力発電が中々再開しない・させないためというのは、本末転倒の話じゃないかと思う。特に、再生可能エネルギー普及のためにFITを設定しながら、その原資は日々の電気料金に上乗せさせられているわけですからね。それならば、より料金が安くなる原発再開を進めろと利用者の一人としては言いたいところ。あるいは、多少高くても「無農薬野菜」とか「環境に優しい商品」を購入するのだから、「環境に優しい電気」として再生可能エネルギーで発電された電気に対しては割高料金を設定するべきというのも以前に書いたとおり。
やはり昨年末に、アメリカの小型原子力発電設備に日立が参加するというニュースがでて、福島第一原発事故以来このまま日本の原発開発は立消え手てしまうのでは無いかという危惧は何とか払拭されたけれど、今回のEUの「原発はグリーン」という認定が呼び水になって、これまでのように大規模な原子力発電では無く、もっと小回りがきくそれ故に安全性も高いSMRに道筋が付けば良いかなと思います。これが実現すれば、今のように極々限定された地区に大規模発電所を造るのでは無く、極端な話市町村に1基専用のSMRを設置すれば、大規模震災の時のリスク分散にもなるし、例えばデータセンターとSMRを組み合わせて見るとか、過疎地域対策としてさらに小型のSMRを設置してエネルギー安定供給をするとか、小型化技術に依存はするけれど「地方革命」が起こるんじゃ無いかと個人的には期待しているところ。人それぞれ考え形の違いあるから自分の考えを押しつける気持ちは無いけれど、生活の中で必須項目の一つである「電気」を安定供給するための手段として、原発と火力の組合せはベストだと思うし、そこに再生エネルギーを組み合わせるから相乗効果も生まれるんじゃ無いかと。再生エネルギーありきの議論には、その点で私は方向性が違うと思う。今回のEUの決定が、ねじれ始めたベクトルを修正する切掛になることを期待したいですね。
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