2021年10月22日

コロナ後もテレワーク

コロナ収束後もテレワークを希望するかどうか、という調査で、 「希望する」が83%に昇ったという記事。弊社も、どうしてもオフィスでの作業が必要な部署・業務以外は、基本テレワークにシフトするように御触れが出ていて、その為のルール作りも進んでいます。例えば、これまでの固定されたオフィスを止めて、フロアーの半分くらいをフリーアドレスにして、スペースを有効活用したり、テレワーク中心の社員は交通費(定期代)の支給を出社日数に応じて、これまでのように定期代分全額支給から、個別精算にしたりとか、状況を見ながら対策を考えたり準備を進めています。

まぁ、私なんかもう15年以上テレワーク状態なので「やっと時代が俺に追いついてきたぜ(マテ)」状態なんですが、その自分から見ても、会社としてテレワーク中心の施策に移行するというよりは、これまでのオフィスワークとこれからのテレワークを上手くミックスさせて、より効率的かつ最適な仕組みにしようとする雰囲気が感じられて、我田引水じゃないけれど良い会社じゃ無いかとポイントは高いです。IT関係で、比較的テレワーク化しやすい業務や職種が多かったり、それに必要なインフラとしても既にビジネスの一部として存在していたりと、有利な点が以前から有ったことも大きいと思うけれど、外資系企業の癖に妙に日本の企業っぽい部分もある職場なので、それが上手い具合に転がった気がします。最も、自分が仕事で話をしたりしているアメリカのエンジニアやマネージャーなんか、もう何年も前からそんな状態でしたから、やっと日本も追いついたというのが正直なところだけれど。

テレワークを長年やってみて感じるのは、自分の生活の中にこの「テレワーク」という要素をどう溶け込ませていくのか、と言う部分が、成功するか失敗するかの大きな分かれ目だという事。私もテレワークを始めた頃は、兎に角「仕事は仕事」「プライベートはプライベート」と自宅でもしっかり分離することを優先して、当時はちょっとした事情から2LKのマンションに一人で住んでいましたが、一部屋を「仕事部屋」にして、PCとか作業用の道具類以外は持ち込まない「完全隔離仕事部屋」みたいな物を作りました。これは、開発の仕事なので外部に漏れたらいけない機密情報も多かったこともあって、それもあって万一の場合にもセキュリティバイオレーションだけは言われないようにしないと、という事も有ったんですよね。当時は、今ほどペーパーレス化されていなかったし、ファイルの共用にしてもまだまだ不十分だったから、仕様書とかマニュアルとか印刷媒体が殆どでしたし。ただ、それで2年間位やってみましたが、正直疲れました。氏事とプライベートを分離することは、一見メリハリが付くように見えるんですが、会社に行っているわけでは無いから、空くまで自分の気持ちの中で「分離」しているだけなんですよね。あと、仕事の相手がアメリカや欧州だったりするので、会話するだけでも日本の早朝とか深夜帯が多くて、昼間は日本のチームと何回かやり取りしたら、それでその日の仕事が終わる場合も。そこで浜松に戻ってきたときには、仕事vsプライベートの様に意識せずに、普段の生活の中で仕事するというか、まぁ9-5の勤務形態を止めることを先ず最初の一歩にしないと、リモートワークは成り立たないなと言うことを自ら経験したわけです。

少し前にジャーナリストの佐々木俊尚さんも「ワークライフバランスではなく、「ワークライフインテグレーション」という事を話されていて、あぁやっぱりそうだよねと激しく同意。立場的には、佐々木氏のようなフリーランスの場合と会社勤務のリモートワークでは、仕事のやり方とか振られ方とかが違うので、まったく同じとは言えないけれどかなり類似した「勤務形態」というか「生活形態」と言った方が良いんじゃ無いかと思います。ただ、何度も書いているけれど「評価」の点ではオフィスワークの方が楽なわけで、リモートワークとかフリーランスの立場の様に「成果主義」「結果主義」みたいな評価をしてくれる会社なら、リモートワークも導入しやすいしやりやすい。それって、ワークライフバランスだと、生活か仕事かどちらをトルカみたいな感じになってしまいがちなんですが、ワークライフインテグレーションだと、生活が良くならなければ仕事も出来ないし、仕事が上手く行くという事は生活も充実してくる、という傾向があるんじゃ無いだろうか。実際自分も15年以上リモートワークをやってみて一番感じるのは、会社で仕事が調子よく進んで余裕が出来ると、直ぐに別の仕事を突っ込まれるけれど、リモートワークだとそこで興味の有ること、新しい事を習得する時間が生まれるんですよね。勿論会社でもそう言う機会を与えてくれるけれど、機械的に与えられても効率は良くないわけで、やはり自分が欲しているときに欲している物に手が届くという環境は、リモートワークでの最大のメリットの一つだと思います。で、リモートワーク化出来るところはそれを進めて、それによって余裕が出来た社会インフラはどうしても既存のシステムを維持しなければいけない業種に集約すれば、社会全体として効率化も進むわけだし。コロナ禍後というのは、色々な部分で日本社会のシステムが変わると思うけれど、ビジネスにおいてもそうなるのか、あるいは結構数年で以前の状態に戻ってしまうのか、ある意味日本の将来が掛かっているような気がします。

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