2021年10月13日

格付けビジネス

毎年物議を醸し出すニュースの一つ、「都道府県魅力度ランキング(地域ブランド調査2021)」なるもの。 我らが静岡県は一つ順位を下げて15位ですが、まあ上位と言って良い順位で悪くは無いと思います。

上位、責めて半分より上のランクなら、まぁ多少の不満はあっても文句は無いと思うけれど、下位、それもワースト10とか5に入ってしまうと、そりゃぁ確固たる理由があるなら別だけれど、雰囲気で決まるこの手のランキング調査に関しては不満続出となるでしょう。案の定44位にランクダウンした群馬県の山本知事が「法的措置も含めた検討」と中々過激な発言も。何処の自治体も厳しい経済状態が続く中、好印象をもたらす内容ならウェルカムだけれど、印象を下げるような結果にはやはり一言言いたくなるのが人情。しかも、今回だけで無く、確かこの手の調査が始まってから、特に北関東の人気は決して高くない状態が続いていますからね。それを逆手に取って、茨城県のように自虐逆みたいな扱いをするのも、ある意味一つの手だとは思うけれど。

「魅力度ランキング」と銘打っているからには、一つはそこに住んでいる人達の気持ち、もう一つはその地域以外の人からみた気持ち、少なくとも二つの要素は必ずあると思うんですよね。その中で、外からは魅力不足と思われているけれど、中の人には住み心地が良い地域、とか、外からは羨ましく見られるけれど中の人は窮屈で退屈している地域、みたいところも有るんじゃ無いだろうか。個人的には「あそこ」と思うところはあるけれど、ちゃんとした根拠が有るわけでは無いので発言は控えますが、個人的には静岡県は多分後者の「外から見るとそんなに魅力的には映らないけれど、中の人から見ると居心地が良い土地」なんじゃ無いかと。静岡県には、富士山を筆頭に色々観光資源はあるけれど、東京圏や名古屋圏、さらには大阪圏からも近い事もあり、それほど観光客が押し寄せるという土地じゃ無い。どちらかというと、東京-中京圏の間にある「通過県」なんですよね、東名高速にしても新幹線にしても。その富士山にしても、半分は山梨県のものですし、時々「静岡県には富士山と箱根があるし」と言われるけれど、「箱根」は神奈川県ですからねぇ(笑)。

例えば、「観光立県」を謳っているのに、魅力度が無いと評価されたなら、それは検討するべき指標としてそれなりに付加価値があると言えます。ランキングを見ると、1位の北海道に2位の京都府、3位の沖縄県と、その目的は達せられている気がします。市町村魅力度ランキングも発表されていて、そのランキングを見るとやはり有名観光地として知られている市町村が並んでいて、しかも都道府県ランキングとは一致していないことからも、この調査の見方には注意する必要が有るように感じますね。この手の調査結果を利用して、そこからのビジネス機会が新たに生まれることもあるわけで、この調査がそう言う目的と言うわけでは無いけれど、そんなにかっかしないで、それよりも都道府県民の意識調査を首長は重視するべきだと思うなぁ。来てくれるお客様も大事だけれど、一番大事なのはそこに住んで日々の生活を送っている人達なんですからね。

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