2021年8月3日

出る杭を叩く

卓球の水谷隼選手の発言を発端に問題提起されている、オリンピック選手(や著名人)に対してのSNSでの誹謗中傷問題。今に始まったことでは無く、以前から有る問題ではあるけれど、今回は試合後に某国からの反応が酷すぎるという事で、他の選手へも波及する事からあえて公表に踏み切ったもの。ここまでは良いのだけれど、予想外だったのはその水谷選手の発言・行動が「差別的だ」として、逆に批判が起こったことで、いゃいゃ、それは違うだろうと思うのですが。

SNSの功罪と言ってしまえばそれまでなんだけれど、これまでも納戸も同様の事例が生まれて問題視されているのに、一向に収まる気配が無いことは問題。立ち上がり時期は、物珍しさや匿名性に隠れて好きなことが出来たかもしれないけれど、今では法律でも有る程度整備されて開示請求も出来るし、少なくとも既存のシステム経由でネットアクセスをして活動すれば、必ず履歴は残りますから何処の誰であるかまでは特定出来ます。幸いな事というのか、ネット上のシステムに残されているから、データとしては膨大ではあるけれど、システム出来快適に履歴を辿れるから、実はそんなに難しい話では無い。唯一の問題点は、データが膨大だから、時間がたてば立つほど参照するデータ量が増えるので、その時間との闘いだけが唯一の問題点なのかもしれない。

今回の件で象徴的だったのは、別件であれほど社会的に問題点を指摘したり大きな声で発言を為ていた、所謂「リベラル」とか「〇〇主義」みたいな事を自分で言っていた人達からの発言が無かったり、有っても批判的なもので以前との整合性が問われる内容だったことでは無いでしょうか。まぁ、そう言う人達の過去の発言に為ても、本当に問題として認識して是正することを意図していたとは思われない部分も多々あったわけで、そう言う事を含んで考えると今回の水谷選手やそれ以外のオリンピック参加者や同様の被害を受けた人に対して以前の発言を持ち出すのは、ある意味やぶ蛇にもなりかねないリスクがあるんですよね。そう言うダブルスタンダードな態度や立場もどうかと思うけれど、仮に主義主張が反することを述べるとしても、是々非々の意見というものは許されるしちゃんと理由があるなら問題無いと思う。でも、これまで納得出来る説明を聞いた記憶は無い事からも、そう言う人達がほぼ沈黙している理由もよく分かる気がします。

これも「ネットリテラシー」と言ってしまえばそれまでなんですが、それにしても折角一生懸命努力して十分満足出来る成績を残して、それを見ていた人達にも勇気や元気を与える行為をしたのに、理由も無く誹謗中傷されるのは悲しい以前の話。その理由と想像されるものに、オリンピックに反対していた人達が、それを成功させるような行為をしたから批判しているような雰囲気も感じら、流石にそれは違うだろうと声を出して言いたいところ。フェンシングの金メダルと、その後フルーレでの惜しい敗戦にも同様に誹謗中傷が集まり、太田前会長は法的措置も検討していると厳しい態度で臨むようですが、彼が言うようにSNSは好むと好まざる都にかかわらず社会インフラとして確立している今、ネットだからで許さずに、リアル社会の犯罪と同じ扱いをしていい頃じゃ無いだろうか。ネットでの誹謗中傷から、日本でも木村花さんが自殺したり、さらに厳しい状態の韓国でも苦にして自殺する例が幾つも発生しているけれど、虐め問題とかパワハラやそれ以外のハラスメントと同じ行為だという事を、これを機会に社会に浸透させる必要が有るでしょうね。そう言う意味でも、水谷選手や太田前会長の発言は、もっと重く受け止められるべきものだと思います。

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