2021年7月29日

自動運転が田舎を救う

佐々木俊尚氏のコラムから、完全自動運転システムが田舎の飲み屋街文化を再生させるという話。都会であれば、JRに私鉄にバスにタクシーにとふんだんに移動手段が存在するから、へべれけになっても帰宅できる手段があるけれど、田舎の場合は基本自家用車での移動が殆ど有り、飲酒した場合の代行サービスも潤沢に有るわけでは無いので外のみが制限されるという背景を解決するのが「自動運転による帰宅サービス」という事なんですよね。

これはこれで一つのアイデアだと思うけれど、個人的に一寸疑問を感じるのは、

  1. 全ての飲んべえを帰宅させるだけの自動運転車を準備する必要無いだろうけど、例えば浜松市の場合だとそれでも一晩で何百人単位分は必要になるのでは。そのコストって、結構大きいと思う
  2. さらに、そう言う人達が例えば市街地の浜松駅周辺地域から自宅のある郊外へ移動し、その自動運転車がまた戻って次の人を運ぶとすると、多分一晩に2~3回転位が精々じゃ無いだろうか。効率的にも結構オーバーヘッドが大きいと思う
の2点かなぁ。浜松くらいの人口規模ならぎりぎりセーフとも言えるけれど、市の面積も広いから効率的には厳しい気がする。人口がそれなりにあって、かつ移動距離が短めの地域ならペイできそうな気がするけれど、浜松市なんて市街地から片道30分、40分なんて普通ですからね。逆に、人口規模なら20~40万人位の都市なら、利用者数も数十人規模で必要台数もそんなに多くなくてよく、また移動距離も短くなって一晩で5~6回転位できればベイできるんじゃ無いだろうか。

さらに浜松市の場合には、「西鹿島線」と言う単線なのに途中まで高架化されている私鉄が街中の浜松駅近くから郊外の西鹿島駅まで、南北に走っていて、最終(新浜松駅発)は23:40とそれなりに遅い時間まで利用出来るので、これも他の都市とはちょっと違う環境と言えるかも。だからか、この西鹿島線沿線沿いに、結構飲み屋の小さな拠点というか、そう言う場所も何カ所かあるみたいだし。それなりの規模の都市だと、こう言う市街地と郊外を結ぶ私鉄ってそれなりに存在していると思いますが、そこから離れた場所をどう結ぶかで、この自動運転車が良いかもしれない。「ライド&パーク」じゃ無いけれど、市街地だけで無く、郊外まで送り届けた自動運転車が最寄りの私鉄駅に移動して客を拾って送迎して、その途中でまた市街地に戻ってくるようなパターンを自動運転でも実現出来れば、移動距離の長さによる非効率さも解消出来る気がする。

うちは、母親がお酒を飲まないので、家族で出かけるときは、行きは父親が運転して、帰りは母親が運転して帰宅していましたが、そう言うパターンが一般的かな。しかも田舎の場合、車も一台だけで無く、お父さん用のセダンに、お母さん用の軽自動車、みたいな構成が結構有りますから、大体皆さん運転免許は保有しているし。それでも、最近では自家用車は一台だけ、お母さんもお父さんもお酒大好きという家庭も珍しく無いからなぁ。そう言う意味では、自動運転だからこそ、24時間回遊するようなミニバス的な利用が可能なら良いかもしれない。でも、無人運転だと、眠りこけて乗り過ごしても起こしてくれる人が居ないから、結局一晩中バスの中で眠ったまま、と言う事も「田舎あるある」としてこれから生まれるかも。コンビニなどの「24時間サービス」の誕生がライフスタイルを大きく変えたけれど、次は「自動運転」が新しいライフスタイルを創造するのだろうか。

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