2021年7月28日

「共謀罪」がやってくる

立憲民主党内のワーキングチーム(WT)内での発言が問題視された、本多平直衆議院議員。 その発言内容は極端な例で適切かどうか疑問であるけれど、自由に発言して最善の結論を見つけるクローズドな議論の中での発言が、まず外に漏洩するだけで無く、発言を取り消して謝罪しても責任を追及される世界って、彼らが以前批判していた「共謀罪」とかの世界じゃないのか?

離党するだけで無く、比例選手だから衆議院議員も辞職するというのは、筋の通った話なので、その点は同様の事例でも議員を続ける他党の議員達にも見習って欲しい所。ただ、この人の日頃の議会での発言などは、賛成出来ないものが多かったけれど。メディア等では、彼のWTでの発言ばかり問われているけれど、それらはあくまで事例としての話なわけで、別に彼が実際にそう言う行動を取ったことが有るわけじゃ無い。問題なのは、そう言う内々の会合の話まで外部に漏れて、しかも最初は沈静化させるつもりでいたのに、一旦世間の批判が高まると掌返しで彼の弁明機会すらちゃんと与えられずに、掌返しで離党勧告にしてしまう、党のガバナンスの酷さの方じゃないだろうか。

オリンピック開会式の渡辺直美氏に対しての発言も、確かにその部分だけを聞けば非常に失礼な話だけれど、あくまで演出として限定された場でのアイデア出しの時の話。かつ直ぐに問題点を指摘されて謝罪している話が、尾ひれを付けられて責任問題になったけれど、本当に「自由な議論」とかどうなったんだろうか。野党自らがが強く否定している状況に、自らが立たされると結局は自分達の保身のために一番やっちゃいけない事をさっさとやってしまうところに、当時から分かっていたけれど底の浅い認識だけでああいうことを言っていたんだなと再確認出来ますよね。

最近TLを見ていたら、こういう状況がSFの名作「1984」そのものという意見があって、そうだよなぁ、監視社会の中で生活しているようなものだよなぁと納得してしまいました。ただ、唯一まだ救われているのは、「1984」の世界では政府が双方向監視装置で国民を監視しているけれど、今の所はSNS等のネットへの情報が発掘されていることが中心な事だろうか。でも、今回の本田氏のように、密告みたいな事から発覚することもあるわけで、それってやっぱり「1984」のデストピア社会の前触れだよなぁ。最も、そんな社会を既に実現している「中国」という国体があって、それはそれで社会システムとして成功をしているので困ってしまうのだけれど。まぁ、日本のSNSは、良くも悪くもまだ自由に発言できるだけはましなのかもしれない。

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