2021年6月15日

矛盾する内閣不信任案

今日、野党が内閣不信任決議案を国会に提出する予定という記事。野党側の提出理由としては、「この未曾有のコロナ禍において今の内閣は信用できない。コロナ禍対策のために三ヶ月国会を延長しろ。我々に政権を任せろ。」という言い分なんだけれど、それって矛盾しているよなぁ。

大体、今の内閣が信任できないから「不信任案」を提出するはずなのに、「国会を三ヶ月延長したら提出しない」っておかしな理屈。信任できないものが三ヶ月延長されたら信任することになるわけで、その矛盾を分かって言っているのだろうか。それに、「政権を渡せ、渡せないなら不信任だ」というのも変な話で、他分野党はルール通りの解散総選挙ではなく、政権禅譲みたいな事を想定しているんだろうけど、それだって政治を政局に利用していることでしか無いだろうし。でも、そう言う特例を国民が認めるほど野党に信任を置いているかと言えば、最近の政党支持率を見ても分かるように、野党の特に野党第一党の立憲民主党の支持率が高いわけでは無い。と言うか、不信任案を提出する予定の野党四党(立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党)の支持率を足しても全体の1割にも届かないわけで、全く説得力の無い話。

現実問題としても、現在はコロナ禍対策でワクチン接種をどれだけ拡大するのかが最優先課題の一つで、それを停滞させるような行為はやらない方が良い。選挙が無駄な行為とは言わないけれど、今絶対に必要かと言われれば議員任期は9月まであるなら、今で無くてもという理屈の方が適当でしょう。それに、東京オリ・パラ開催となれば、そうで無くてもこの時期の人流抑制が言われているのに、選挙での人の流れの増加は抑えたい。となれば、衆議院議員任期ぎりぎりの9月に選挙を行うのが、一番理に適っている気がします。

野党が「退陣」を言っても「解散」を要求しないのは、彼らにしてもいま選挙が行われるのは準備不足もあって好ましく無いという理由があるでしょうね。与党の支持率や人気が落ちている今は、ある意味野党にとっては有利な状況とも言えるのだろうけど、準備不足については与党の方がまだましで、野党に置いては候補者も定まらない地区もあるだろうし。与党としては、少なくともコロナ禍の状況が改善すれば自然と支持率が上がることは確実で、そこに東京オリ・パラの成功体験が加われば、現有議席以上の勝利も可能かもしれない。互いに打算をしている事も確実なわけで、そうなると野党にとっては今解散しないことを前提に「自分達は仕事をしている感」を出す事がベストでは無いけれどベターでは無いだろうか。その為の不信任案提出なんだろうなぁ。野党側も、そう言うパフォーマンス政治は、もう国民にも見透かされているし、それではいつまでたったも支持は得られない事をもっと認識するべきだと思う。で無いと、いつまでたっても自公の与党政治が続くわけで、また何年かたてば昔のような「惰性政治の時代」に戻ってしまうと思うし。

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