2021年5月28日

ワクチンの融通

新型コロナウイルス対策で、世界の優等生だった台湾で、国際線パイロットが持ち込んだウイルスが感染爆発を起こし、再び拡大する局面になっています。その対策としてワクチン接種を進めているものの、ワクチンの入手が進んでおらず既に在庫は払底した状態とのこと。勿論日本も楽観できる状態では無いけれど、ほぼ対象人口の倍近く接種出来る分のワクチンを確保・契約している今、多少なりとも剰余分を台湾へ融通出来ないかと思う人は、決して少ないでしょう。

実際政府内でも検討されているみたいですが、台湾だけとなると色々摩擦や抵抗もあるので、それ以外の地域も含めてWHOやCOVAX等のルートを利用して広く提供することは良いアイデアかも。日本が幾らワクチンを十分に確保していると言っても、最終的には接写できる回数が律速段階になるわけで、それと差分があれば期限切れに近づくワクチンだって少なくないかもしれない。そう言う分を予め見越して、少し早めに提供することは決して日本の利益を損なうわけでも無いし、相手にとってもありがたいことのはず。可能ならば、後日その融通分をその国に配給される分から戻して貰ってもいいわけですからね。重要なのは、必要な時に必要十分な量のワクチンがあることで、今大量に会っても意味が無い訳ですし。最も、アストラゼネカのワクチンは、日本国内で武田薬品が製造委託を受けて製造する予定なので、製造計画や製造量なども調整しやすいし、海外から輸入したものを再度輸出する事に対しての批判も和らぐだろうし。

その提供対象のワクチンは、アストラゼネカ社製ワクチンで、現在国内で使用されているファイザー社製ワクチンやモデルナ社製ワクチンとは異なるタイプのもの。ファイザーやモデルナのワクチンは、最近話題のmRNA型なのに対して、アストラゼネカのワクチンは「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれる別の技術のもの。その為、mRNA型の2社のワクチンと比べて有効性は低いものの、一般に有効性が50%あれば御の字と言われるらしいので、70%の有効性は十分に有益と言えるでしょうね。ただし、アストラゼネカワクチンは、接種後に血栓の症状が発生することがあり、今それが懸念材料に。ただ、その発生頻度とワクチンの効果を比べてみても、ワクチン接種の方がメリットは高いと言う判断が大勢を占めるらしい。このあたりは慎重な判断が必要だけれど、何事にも100%完全なものは存在しないわけだから、何処かでリスク判断をして決めないといけない。今回も、元々アストラゼネカと日本政府が契約するときには、万一の場合の賠償責任は日本国が持つことを条件に6000万人分の供給契約を結んだので、台湾などに融通した場合その責任がどうなるのかと言う課題があるらしい。個人的には、提供した相手国がその責任を継承する事を条件に提供すれば良いと思うし、場合によっては日本と相手国の折半でも良いと思う。それも、リスクとメリットのバランスをどう考えるかですから。

台湾側では、大量のワクチンを既に確保したというニュースも出ているみたいですが、それで網支援を受けなくても問題ないのか、やはりそれまでの時間繋ぎのために「今すぐ使えるワクチン」がそれなりの量必要なのか、そこはこれまでも色々支援を貰っている台湾だけに、日本としても前向きにかつ迅速に対応をして欲しいなと思います。勿論、台湾に支援をする委譲は、国内対策に関しても更に加速させないと国民は納得しないだろうから、そう言う覚悟も必要。そう言う動機付けになるのであれば、正々堂々と台湾やその他国々への支援が出来れば、少し前に公開された西浦教授の懸念に対しても答えることになるわけですしね。先ずは、素早い決定をして欲しい。

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