2021年5月9日

署名不信

元に日弁連会長の宇都宮健二氏が呼びかけた、「東京五輪中止」のオンライン署名が24万筆(記事のまま)を超えたと伝える記事。「どうせ、Change.orgだろ?!」と思ったらその通りで、そこに「24万投票」会った事は確かだろうけど、それを「24万筆」と書くメディアは、無知なのか知っててやっているのか、どちらも悪質。

少し前の愛知県知事リコール署名問題では、43万5千筆余りの署名が集められて提出されたけれど、その後その7~8割に不正があるとされて精査され、約36万2千人分が無効とされました。結果的に、信用できる署名者数は7万3千筆余りだったわけですが、それでも7万3千人余りの人が実際に署名したことは事実。一方で、今回の五輪中止の署名は、以前も書いているけれど「署名」ではなくて、そのサイトで「賛成」のボタンをクリックするだけの話。一人で何度も投票出来るし、一人で複数のメールアドレスを取得して、そこから恰も別人が投票しているようにする事も可能。極端な話、たった一人でも何万、何十万と言う「投票」をする事も可能な仕組みなんですよね。広く多くの人の声を、世界規模で集めることが出来る仕組みとしては「Change.org」の存在は意味があると思うけれど、それを「悪用」しようと思えば簡単にできるわけで、どうも一度味を占めた人達が今回も含めて便利に利用している雰囲気なんですね。

実際の署名のように、住所・氏名・押印のような、署名者確認の仕組みや、複数回投票可能な設定に問題は有るのだけれど、そう言う敷居を低くしても多くの人の声が集められることを優先しているのが、多分Change.orgの思想というか想定なんだろうと思います。だから利用する側も、そう言うルールを守る「性善説」を前提に利用するべき何だけれど、一度抜け道というかチート(と言うほどでも無いけれど)が知られると、それを悪用して水増しして、それが恰も「現実の声」みたいな言い方をする。「意見があるなら、自分達も同じようにやればいいじゃないか」と言われそうだけれど、多くの場合はそう言う人達は常識も分別もあるから、わざわざそう言う事までして相手をしようとはしないし、仮に同様の署名活動を始めた場合、そしてその結果が上回りそうになると、反対している人達は何故か組織力だけはあるから、また一斉に書込を初めて差を広げようとするし。某新聞社がしていたアンケート調査でも、期待した結果にならなかったからか、当初予定していた期日よりも一週間近く早く終了してしまったし。まぁ、言い方は悪いけれど、利用出来るものはとことん利用するのがああいう人達の習いですよね。

そのシステムの不具合を悪用する事も問題だと思うけれど、今回の場合はその「反対活動」が選手個人、特に白血病から奇跡の復活をした池江璃花子選手に直接ぶつけられる状態になる問題も発生。それに対して、宇都宮氏自身が選手では無く反対意見は主催者へとtweetしているけれど、それでも問題は是正されていないのだから、そもそもの署名の発起人として一旦取り下げるべきでは。元々の署名開始も、多分本人のアイデアではなくて、スタッフからで的タモのじゃないかと個人的には思うのだけれど、だからこそこの程度の認識の浅さで対応するというのも納得出来る話。もしかしたらそのうち誰かがやるかもしれないけれど、Change.orgで「〇〇新聞社は××の責任を取れ」とか「〇〇氏の××の行動に反省を求めます」みたいな署名を初めて、それがどういうわけか多くの「賛成」「同意」みたいな意見が、それこそ何十万、何百万も集まったら、この人達はそれに同意するんだろうか。きっとその時には、「Change.orgは本来の署名活動とは異なるも」とか言って、その時には反対の立場に回るんでしょうね。こう言う茶番みたいな様子を見て、それまでは指示していた人も考えを変える機会になる事は良いことだと思うけれど、それによって残った支援者・支持者がますます先鋭化していることのリスクも大きいなと個人的には危惧するところです。

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