2021年4月25日

ユニフォームの広告

個人的には結構画期的な判断だと思うのですが、一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟(所謂、関東学連)が、今シーズンからユニフォームへの広告掲載を認めるという発表

広告掲載(企業ロゴや商品名のワッペン)出来るのは、両袖と旨の二箇所の合計四箇所。一箇所に付一広告なので、最大四件の広告掲載が可能で、その分の広告掲載収益が期待出来るというもの。社会人リーグ(Xリーグ)では既にお馴染みで、社会人の場合はもう少し掲載可能な場所の数が多かったと思うし、以前はパンツにも入れられたと思うのですが、貴重な収入元でもあるし、チームを応援して貰えるコアなファンであるとも言えます。ただアメリカのカレッジスポーツ程地位的にも存在感的にも、ごく一部の学校を除いて確立していない日本の大学では、中々厳しいだろうなぁ。

あくまで個人的想像ですが、短期的にはチーム運用のための資金作りではあるけれど、この取組からスポンサー企業との協業(企業×大学の産学協同開発とか)とか、就職も含めた社会生活支援みたいな物、さらにさらにはそのスポンサー企業名を冠した試合開催みたいなイベントへと繋がる可能性もあるかもしれない。アメリカ大学では、多くの場合アメリカンフットボールがその大学の収入源として貢献していて、中には10万人規模のスタジアムを持っている大学チームもあるし、テレビ放送権料なども含めて年間で何百億円と稼ぎ出すところもあり、そこは日本人的感覚では追いつけないアイデアが一杯。ただ、やはりアメリカが偉いと思うのは、著名スポーツチームを商品として利用するのではなく、そのチームを核として大学全体、多のスポーツチームもそれ以外の学生も、さらにはOB/OGも含めて潤うようなエコシステムを作ることを目指している事。通称「AD (Athletic Department)」と呼ばれる、日本語に訳したら「スポーツ部局」とでも言えば良いのか、そう言う組織が充実していて、最近では筑波大学とか関西の大学連盟とか日本でも同様の組織を立ち上げる動きが活発化しているけれど、そこにも繋がる改革なんでしょうね。

自分の親の時代なんかだと、大学進学できるのは極々一部の人だけで、ある意味「高嶺の花」。不破雷蔵氏のデータを見てみると、それが自分くらいの時代になると、4割位にまで近づいていて、最近の大学進学率は5割を超えるくらいに。自分の頃は、まだまだ将来就職するときの専門的知識習得みたいな側面が強かったけれど、その時ですらすでに会社側では「大学で学んだことは役に立たない」みたいな事を言われていた時代。実際、同期入社でSEコースに行った文学部卒業生とか居てビックリしたし。最近では、大学教育も一緒にカジュアル化している気もしますしね。そんな中で、段々と企業から見たら大学なるものは、単なる通過的の一つにしかならなくなってきている気がします。でも、こう言う取組で幾つかの企業だけとはいえ、密の繋がりが出来る事は良いことだと思うし、そこから企業側の意識も変わっていけば、大学という立ち位置というか存在意義も変わってくる気がする。うちのチームも、早速OB/OG会を中心に今後の活動予定を話し始めたんですが、正直関東学連の3部チームでは、なかなか大手のスポンサー企業は期待出来ません。チームと企業というよりも、その企業とチームが所属する大学、あるいはそのチームが拠点としている地域位のマスサイズがないと、相手企業の規模とも釣り合わないし。でも、何とかこの動きを上手く利用して、チームの成長にも、大学への貢献にも、そして最終的には社会的に有意義なシステム作りに繋げたいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿