2021年3月5日

単に矛先を変えるだけ?

立憲民主党の議員で、元テレビキャスターの杉尾秀哉議員が、自身がTBSに勤務していたときにも、総務省との会食があったという話の記事。 何でこの時期にその話を出しているのだろうか。東北新社による総務省官僚への接待の話は、暫く前から出ていた話なのに、NTTでもという話が出たところで戦術変更するのだろうか。つまり、これまでは「菅総理の長男に対しての忖度」という、与党批判が中心だったものが、身内であるNTTまで関係していたというブーメランになりそうな状況を回避するために、「総務省、怪しからん」と矛先を変えようとしているのか。

NTT労組は、確か立憲民主党を支援しているから、そう言う意味では立憲民主党が自ら状況を確認出来る一番の立場にいるはずなのでは。それなのに、テレビ局が一番怪しいと言う話を突然持ち出してきているのは、不自然さしか感じない。確かに、テレビ局の放送免許であるとか、NTTの様に通信関係は、総務省の許認可無しでは仕事は始まらないし、その為には相手の機嫌を損ないようにしか支持者への利益誘導は最大にしないといけない。許認可権を持つ総務省は、多くの企業や組織・団体と利害関係を持つ巨大組織だから、いろいろな接触があることは想像されます。ただ、だからと言ってブラックボックス化してしまっては、効果的な業務は行えないので、ちゃんとしたルールの下での関係者との協議は必要。その中には、会議体みたいなものもあるだろうし、ある程度ざっくばらんな雰囲気のものもあるだろうし、それは千差万別だけれど、そこに「接待」のような経済的な要因が絡むのは先ずというのが、今回の問題の根本のはず。

それが週刊誌が「菅総理の長男」という要素を大々的に取り上げたから、野党が一斉に飛びついて政権批判の材料にしているわけだけれど、あの議論の中で根本である利害関係者同士の交流に関して前向きな建設的な意見交換って、殆ど無かった。それが、自分達への影響もあるかもしれないNTTという別要素が出てきた途端に、その矛先をより大きなメディアへ変更していくのは何か不自然。NTTがやっているなら、当然同業他社のKDDIやSoftbankも精査するべきだし、最近参入した楽天は厳正公平に審査されて認可されたのか、先ずはそこを確認するのが先なのでは。それに、テレビ局が怪しいというのであれば、新聞社や雑誌社などだって同じじゃないの。特に、新聞社とキー局は一蓮托生と言っても良い状態な訳で、そこまで追求する気持ちは、彼らは持っているのだろうか。

官僚への接待や優遇は、その企業が官庁から有利な条件を引き出すという企業側の利益もありますが、官庁側としても企業側にある程度の恩を着せておくことで、退官後の再就職、所謂「天下り」の進路先を確保するという、両方にとって利益の有る話にもなります。企業側としては、経験と知識のある人材確保という本来の名目もあるんだろうけど、交渉相手の手の内を知っていてかつ影響力もある人材を引っ張れば、将来的に有利になることも事実でしょう。そう言う意味では、持ちつ持たれつの関係が昔から出来ていたことは周知の事実でもあるわけですよね。実際、天下り問題なんて何度も消えては再発しているし、数年前にその天下り斡旋で辞任した文科省事務次官氏は、一年もたたないうちに政権批判のシンボルとして野党などから重用されている位ですからね。今回の件も、本来ならばさらに厳正なルールを設けて、再発を防止する対策まで取るべき何だろうけど、結局は攻撃材料が薄れてきた野党が興味を失い、このまま有耶無耶で終わるんでしょうね。そこで、また週刊誌記事で次のネタを探すと。だからいつまでたっても、コロナも経済も貧困も解消されない。

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