2021年1月7日

試される緊急事態宣言

昨年のクリスマスから年末に掛けての行動の結果が、今の陽性者急増の原因な訳ですが、ここでふと思うのが「仮に、PCRの検査数が全員は無理としても、一気に拡大していたら、陽性者数はこんな物じゃ無いだろうな」という事。いゃ、見つからなきゃ良いだろうなんて言うつもりはなくて、仮に陽性率が同じでも検査数が10倍になれば陽性者数も10倍になるわけで、結局は検査数とその結果から影響を受ける病院等の施設に関しても、それに合わせて拡充や準備をする必要があるということ。

それを考えると、ワイドショーや情報番組で、とにかく検査数を増やせと行っていたコメンテーターやMCの人達は片手落ちだったわけで、それなのに今は対応出来る病院の少なさを批判しているのは納得いかない。その病院についても、経済的な問題から対応しない・出来ない病院が多く、そう言う意味では確かに感染者増加とともに医療崩壊の危機にあることは事実だけれど、その解決策も可能性はまだ残っているとも言えるのではと、この記事を読んで思うのですが。その元ネタとなったこちらの記事では、政府として病院の営業補償をすると、他の業種と比べて不公平になるという話らしいけれど、それは一寸違うだろう。例えば大きな自然災害が発生した場合、家屋の倒壊や道路や交通機関にガス・水道などの社会インフラも影響を受けます。そこから復旧作業が始まるわけですが、先ずは社会インフラの復旧が優先されるわけで、それはそれらが動かないとその先の作業が進まないから。それと同様に、感染者をサポートする病院施設が足りなければ、人の命が失われる状況の中では、病院もインフラの一部なのだからそれらを優先することが問題になるとは思えない。

確かに、政府の対応が万全だったとは言えないし、夏の時期に第一波が収まったことで油断したこともあるでしょう。その後、秋にかけて徐々に第二波、第三波と思われる増加傾向が出てきたときも、疲弊した経済対策に軸足が向いていたことも事実だと思う。でも、どの時期においても言えることは、結局感染拡大を抑えるのは、一人一人が「三密回避し、うがい、手洗い、マスクの励行」をする事だけは全く変わっていない。それが、個人の努力が疲弊してきたこともあるだろうけど、テレビ等では顔が映るようにフェイスシールドやアクリル板での映像を流していたり、無責任な発言を垂れ流しをして扇動するようなことを続けていたり、そう言う事が本来必要な「個人単位の努力」を油断させていったことも大きいと思いますね。本来なら、メディアの役割としては、まだまだ油断するな、今の努力が将来に繋がる位のことは毎日言うべきじゃ無いだろうか。

綺麗事を言うわけじゃ無いけれど、日本では個人の権利が尊重されるから極端な制限は出来ない訳で、だからこそ第一波の時には思い切った対策をして国民もそれに応えて成功したと思うんですよね。でも、それも続くとなるとどんどん気が緩んでしまう。多少語弊が有るかもしれないけれど、国民としての資質が今は問われているときのようにも感じます。殆どの一は、それに答えているのだけれど、ごく一部がそれを守らないので、結果的にはより大きく深い制限を設けて網羅しないといけない。「自業自得」と行ってしまうと一寸言いすぎかもしれないけれど、ちゃんとルールを守っている多くの人にとっては、とんだとばっちりとも言えそう。そう言う意味では、昨年の自粛要請を実行した大阪府、北海道が沈静化しているのに、それをしなかった東京都やその周辺で感染爆発しているのは、個人に加えて地方自治体の責任もあると言えるのだけれど、その事に関しては余りメディアでは取り上げていない。勿論、今批判しても陽性者が減るわけでは無いと思うけれど、結果的にはあの時頑張らなかった付けが今来ていることも事実な訳で、そう言う「実績」をちゃんと報じることで、一人一人の危機意識をちゃんと確立していくことも今更ながらだけれど重要だと思う。

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